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真っ赤な真実13

「先輩、子供達の前であんなことを言っているのですか?」

「な、何?桜子こそ、『早く、帰ってきてくださる?寂しいわ』と、言ってるなんて、思いもしなかったわよ」

「先輩の、『仲直りの印に、今日は一緒にお風呂に入りましょうよ。あなた』の方が衝撃的ですわよ」

「そ、そんな事、言ったことないよ!」

「わたくしだって、そんな事は言いませんわよ!」

二人は、パスタをフォークに絡ませながら、楽しく言い争っている。

何について言い争っているかと云うと、子供達が行っていた"おうちごっこ"での夫婦の会話に出て来ているセリフについてだ。

子供達に、『凄い会話ね?ドラマか何かで覚えたの?』と聞いたら、『ママとパパの会話だよね?』と返された事が発端となっている。

「子供達はさ、ドラマの影響もあって、大袈裟に言ってんのよ?きっと」

「そうですわよね?」

二人で、これ以上の詮索はお互いにしないでおこうと、暗黙の着地点を提示した。
(言っておきますけど、本当にあんなこと言わない!!似たような事はある?かな…?)

桜子はその後、全く別の話題を振ってきた。
「それにしても、天気予報は当たりそうですわね?」

桜子の言葉につくしは、窓の外を見る。

あれだけ暑く、太陽がギラギラと照りつけていたにも関わらず、食事を取り初めた頃から、雲行きが怪しくなってきた。

「本当だね。でも、3時間はたっぷりと遊べたもんね。桜子、今日はありがとう」

「イヤですわ、先輩。こちらこそ、楽しめましたのよ?」

桜子はつくしにそう伝えると、ホタテにナイフを入れた。

「あぁ…、みぃちゃんたら、うとうとして…」

みのりは、パスタの具である、豚肉のラグーにフォークを突き刺したまま、こくこく頭を
前後に不規則に揺らし始めている。

食事も終盤となると、子供達は眠気を訴えて来た。

ひいろと桃子ちゃんはフラフラしながらも子供部屋まで歩いて行った。

「水を使って遊ぶと疲れるのよね」

「本当に。実はわたくしも眠くなって来ましたの。お迎えを呼びますね」

桜子は携帯電話を手にして、運転手に連絡し始めた。



それにしても、あのソーダ水が山崎さんの考案だとは…。

パティシエの高野さんが食事が始まる頃にデザート代わりに運んできたソーダ水。
運んで来るなり、『山崎さんが考えたんですよ』と、自分が考案者のように話すので思わず笑ってしまった。

ドアの側に立っている山崎さんに伝える。
「凄く、可愛いですよ?山崎さんって、女の子の喜びそうな色合いとか、選ぶポイントを押さえてますよ」

あたしの言葉に、軽く会釈してくる。
何時もは無骨な彼が少しだけ頬を染めていた。

ソーダ水の中に凍らせたハート型の赤いゼリーが入っていた。
イチゴのゼリーらしい。
レモンの丸いシャーベットも少しだけ入れてある。
リンゴのシロップを下の層に入れたものだった。

桜子の中にはレモンとゆずを凍らせた丸いシャーベット。
下の層にゼリーを敷き、底がキラキラと輝いている。
シャーベットを潰すとそれぞれの酸味が広がるようになっている。

高野さんは、桜子の昔からのファンらしく、凄く緊張した面持ちで運んできた。

何で分かるか?

だってさ、本人がそう言ってるもの。
『桜子さん、水着姿が、昔とちっともお変わりがないんですね?うわ~、眩しです。目に毒でした』ってさ。

桜子はその言葉に、かなりドン引きしていたけどね。

高野さんの『桜子さんのソーダ水は、レモンとゆずが入ってます。今日は暑かったので、よりさっぱりとしたものをと思ってお作りしました』の言葉にも、全くニコリともしないんだもの。
こっちが焦ったわよ。

桜子は運転手に、至急来るようにと話している。
あと15分もすると、桜子のとこの運転手が迎えに来ることになった。

「ふぁ~、先輩、良いですか?使用人たちに甘い顔は厳禁ですからね…。ひいろさんの方が、よっぽど分かっていますよ…」

「また、そんな事言って…」

ひいろの方が分かっている。か。

ひいろは桜子に清田さんの事を聞いてもらっていた。
二人とも彼女のことを良く思ってないのが、ありありと分かった。
(初めて聞く話で、少しだけショックだった)

そこに入っているレモンとゆずの丸いシャーベットは、高野さんと清田さんとあたしで作ったと桜子に言えなかった。
(言ったら、折角のソーダ水を捨てそうなんだもん)

何故か、あの時、あたしも参加することになったのよね…。

ふぁ~…。
桜子の欠伸が移ったじゃない。

確かに、凄く眠くなってきた…。

「先輩?コーヒーを貰えます?」

「いいの?」

「思えば、桃子さんがお腹の中にいたときなんて、妊娠がが判明したのがかなり遅かったじゃないですか?その間、ずっとコーヒーと、紅茶ですよ?」

それもそうか?

あたしは、眠気と戦いながらも、お皿を下げた。

コーヒーはあたし専用のブレンドのものを入れた。

少しだけ、バニラビーンズが入っていて、甘い香りがする。

コポコポと音を点ててコーヒーがゆっくりと溜まっていく。

「疲れた時に、甘い香りを嗅ぐと何か疲れが取れるでしょ?」

桜子の顔色が少しだけ青く感じた。

窓の外の空が物凄くドス黒いからだろうか?

まだ、昼間だと云うのに太陽の暖かさが感じられない。

子供部屋へと続く廊下がほの暗く、思わず電気を着けた。

桜子の顔色がやっぱり良くないと思えた。

「ねぇ、桜子?大丈夫?」

「先輩…。ごめんなさい。何だか、下腹がシクシクしてきて…。妊娠中だとたまに起こりますよね?」

確かに…。

でも…。

桜子はその後にトイレに入った。

吐いているようだった。

トイレから出てきた桜子は更に顔色が悪く、土色をしていた。

「先輩…。妊娠中って、おりものに血が混じる事って、ありますよね?」

その言葉に、あたしの眠気なんて遥か彼方に追いやった。

桜子を抱きしめ、背中をただただ擦った。

そんな…。

何で?

「ゴメン、桜子…。大丈夫だから…。ゴメン」

「先輩?何で謝るのですか?…熱中症ですかね?少しだけ頭がくらくらして…」


桜子に告げれない自分がもどかしかった。

また、告げたとしても、何を根拠にして話しているのかでさえ、きっと自分でも分からない。




あたしたちのプライベートルームのエントランスの扉をノックする音が響く。

迎えの車が着いたようだ。

扉の側にいる、山崎さんに桜子の介抱を頼み、小宮さんに桃子ちゃんを子供部屋から連れて来るように頼んだ。

山崎さんは具合の悪い桜子を見て、驚愕していた。

小宮さんは一瞬で目付きが鋭くなった。
「つくし様、顔色があまりよくないようですが?」

「あたしは、大丈夫だから、桜子と桃子ちゃんを車までお連れして」

あたしの言葉に、小宮さんは後方にいる一人に鋭い視線を送ってから、子供部屋へと向かった。


小宮さんが送った視線の先で、一人だけ皆と違う表情の人がいる。



皆が心配そうな顔を浮かべている中で、ただ一人笑っている。



完全にあたしの理性がぶっ飛んだ。

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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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