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真っ赤な真実11

「凄っ!」

思わず、声に出していた。

あたしの言葉に、
「先輩、馬鹿にしてます?わたくし自分で云うのも何ですが、料理の腕も其なりなのだと思いますのよ?」

そう言いながら、生きたホタテ貝と殻を専用のヘラを使って、上手い具合に切り離している。

「職人か?!」って、また声に出していたら、
「出来る人間は何をさせても出来てしまうのが、恐いところですわ?」
そう言いながら、貝の隙間にスッとヘラを入れて動かし、貝を開ける。
また、ヘラを入れてスルリと切り離し、氷水で凍めている。

桜子に生きたホタテ貝があるって言ったら、出来るって云うんだもの。
(解体をさ!)

驚いちゃたわよ。

「桜子ママって、凄いねー!何でも出来るんだね?!」
「さっこまんま、すごいですね~」
「桃のママも、お料理上手なんだよ」

子供達は興味津々で見ていた。
(何時もは、シェフが解体したモノだけを受け取っていた)

「ねぇ、ママは出来ないの?」
ひいろの素朴な質問。

「出来ません」
即答する。

普通の家は冷凍のホタテ貝か、生ならお刺身よ。
殻付きのなら、そのまま焼くか!
若い頃に、殻付きの生きたホタテ貝を食す機会が何回あると思う?
高校生の頃だと、まず無かったね。
(みんな、知ってるか?)

桜子の結婚当初は、勿論だけど料理は全く出来なかった。

あたしの方が料理歴長いのよ?

ところがよ。
いつも美味しいものを食べていた人って違うのよね。
どれとどれを合わせると美味しいのかを知っているんだもの。

以前、青池家のホームパーティーに招待されたとき、出てきた料理を桜子が作ったって聞いて、ぶったまげた。

それがまた、スッゴいお洒落な料理なのよ。
(その1つはビーフストロガノフだったのよね。じっくり煮込んだね)

あたしの今までやってきた、お手軽でパッパと作る料理って、何だったの?って、軽~くショックだったのよね。

まっ、料理研究家で有名なおば様の教室にも通ったようなんだけどさ。

子供達は、解体が終わる頃には、キッチンからいなくなっていた。
子供部屋で3人仲良く"おうちごっこ"をしている。

「先輩、そのホタテ貝を貝柱とその他で解体して頂けます?」
「そこは、あたしかい?」
「結構なグロテスクでしょう?わたくしには無理ですわ」

二人で顔を見合わせて笑ってしまった。

そう今、あたしと桜子は"うち"のキッチンで楽しくランチを作っている。



ホタテ貝をアスパラと炒めようかと考えていた。
ソースはお洒落にクリームにレモンってどう?

「先輩、なかなか良い仕上がりになりそうですわね?バルサミコ酢を大人の分だけにかけた方が…。パンチのある味になりそうですわね?」

桜子が、目線を右斜め上に上げながら呟いた。

ほらね!
だから言ったでしょ?

生粋のセレブが言ってるから、きっと間違いないよね?

あとはグリーンサラダとつくし特性の豚のラグー入りのトマトパスタにする予定。

「暑かったからこってりより、爽やかな酸味があった方が良いよね?」

「そうですわね?そうして頂けるとありがたいですわ。先輩、トマトは生のものを使います?」

ホール缶よりも生のトマトを使えば酸味は出るわよね?

「うん、そうするつもり。子供達は少しホール缶を加えようか?飲み物だけあちらに頼む?レストランのランチみたいになるでしょう?」

「そうですね…。炭酸水にしてもらえます?」

桜子は対面しているカウンターに腰を下ろして休憩している。

「炭酸ね…。桜子、今日はやけに酸っぱいのを飲むよね~?ソーダ水だって、普段はあんまり飲まないでしょう?」

「そ、そうですか?」

「そうよ!炭酸って云ったら、ひいろを妊娠中にさ、コーラばっかり飲んで、優紀に怒られた記憶…」

んっ?

つくしはトマトの皮を剥く手を止める。

じと〰️

じと〰️

「な、何ですか?先輩?」

「もしもよ?、もし、そうなら白状しなさいよ?」

桜子は下を向いてから、少し天井を見上げた。

「まだ、桃子には言ってないんですよ…」

「えっ?うそっ?!本当に?!まじで?!!」

あたしは興奮して、声が段々と大きくなってしまった。
桜子は慌てて、人差し指を立てた。

「実は明日病院に行く日で、明日行ったら、母子手帳の交付の手続きになるんです」

桜子はあえて抑揚を抑えて話を続けた。
それでも、嬉しさと喜びが顔中に、身体中に溢れていた。

「おめでとう。産まれるのは…。今回も春になりそう?」

あたしの言葉に微笑んで頷いた。

桜子は次の妊娠がなかなか出来ないでいた。
理由は聞いて無いけど、
『一人目が簡単に出来たのに、二人目は作ろうとしても出来ない。妊娠ほど、自分の思い通りにならないものですわ』
何時だったかそんな事を口にしていた。

「そうなのですが、来春にスキンケア部門の強化を図ろうかと考えていたんですね」

桜子は次の言葉を言おうか迷っているようだった。

「わたくし、…何で今出来るの?って考えてしまったんです…」

あたしはその言葉に、「うん」と小さく頷く。

「ダメな、母親なんですよ…」

その言葉を聞いて、そっと桜子の身体をしめた。





それからは、自分の旦那の愚痴大会がなんとなく始まった。
(ちゃんと、手は動かしてますよ)

「だいたい、わたくしは仕事もしておりますでしょ?先輩もですけど」

グスッ

桜子は、軽くソテーしたホタテの上にクリームソースをかけている。

「わかる。わかる。機嫌の良いときしか面倒を見ないのよね」

ズズッ

あたしは、パスタをソースに絡ませながら、頷いた。

「先輩、パスタに垂らさないで下さいね」

「大丈夫よ!エッセンスよ!エッセンス!」

ズズッ

「夜泣きしているときのことですけど、和也さんがあやしても泣き止まなかったんです。そしたら、『お願いだから、泣き止ませて。仕事があるから』とか言ってきたんですのよ?5分もしないのに」

アスパラを上手い具合に立て掛けて、バルサミコ酢で放物線を描くように少しだけ振りかけた。

「桜子も垂らさないでよ」

「問題ありませんわ。たまにするお料理ですから、究極の愛情の結晶ですわ」

二人で、料理する手を止めて、目頭を拭いて、鼻をかんだ。




「あぁ~、二人目だとね、寝かせようとトライすることもなくなるね。司なんて、自分の頭にブランケットを巻いたのよ。朝になって、聞いてみたら、覚えてないとかぬかすの」

今度はキッチンからの笑い声が絶えない。

子供達が、
「ママたち、ちゃんと作ってる?」
って聞いてきた。

「「ちゃんと、作っているわよー!!」」


また、二人で笑い合う。



男って本当に種まきだけよ!

わかる。
わかる。

女の仕事は遊びでしているとでも思っているのかしら?

うんうん。

極論だと、種まきだけすれば良いってなりますよね?

本当だよね?

女同士だと、助け合うのにね?

男って勝手よね?

本当に。




最後は二人とも完全な悪口。


でもね。


口に出さないけど、旦那さんが仕事でいないのはやっぱり寂しいの。


子供たちと気の合う親友がいてくれることで、心のモヤモヤが晴れていく。


桜子もきっとそう思っているから、笑いながら愚痴ってる。



そういう事ってさ、



お互いにわかっていても、あえて言葉になんてしないもんでしょ?
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コメント

Re: 〇〇様

その通りです(*≧∀≦*)

桜子は以外と努力家だろうなと勝手に想像。

決して不器用ではなく、トライすると出来てしまうという、スペック高めな存在として考えております。

完結出来るように頑張りますね( 〃▽〃)


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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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