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真っ赤な真実10

その日の太陽は凄く眩しくて、キラキラ輝やいていた。

「ママ~~、見て~」

ひいろと桃子ちゃんが、マシンガンのような水鉄砲を上に向けて虹を作っている。

みのりもお姉ちゃんたちを見習い、一生懸命に虹を作ろうとしている。

なかなか上手く出来なくて、
「あれ~、ないね~。ないね~」
と言っては、弧を描いている水流を見つめたり、手のひらを水流にかざしたりしている。

桃子ちゃんが手伝ってくれて、虹が作れたみたいだ。

「まんま~、まんま~、みてみて~」

あたしに向ける可愛い笑顔。
その笑顔に答えるべく、子供達に向かって手を振る。


あれから、子供達は少し休憩をして、また遊び始めた。

「ママ~!みのりと遊んで~!わたしたち、また、滑って来るからー!」


そろそろ、お呼びが掛かる頃だと思ってましたよ。
案の定、ひいろに催促されてしまった。

「先輩、今度はわたくしが行って参りますわ」
桜子は暑さを凌ぐためです。
そう付け加えて、一緒にプールに入ってくれた。

凄いと思わない?
桜子が人の子供と遊んでいるんだよ。

みのりが座れるくらいの浅いエリアで水鉄砲を使って虹を作って遊んでくれてる。
(勿論、そこは大きなパラソルがある)

あたしは水鉄砲で遊ぶ前に、みのりと一緒にウォータースライダーを滑った。
(3メートルの高さはある。ストレートタイプとカーブタイプと両方が付いている)

着水するときにみのりの顔に水がかからないように、腕を上げて、みのりを持ち上げていた。
(これがまた結構な腕の筋肉を使うのよね。
その都度12キログラムくらいのダンベルを持ち上げているような感覚よ!)

『もいっかいしよ。まんま、もいっかい』
と、みのりに云われるがままにリピートしてたわけ。

そうしたら、腕に半端ない疲労感が襲ってきたから、少し休憩していたの。

顔に水がかかって、また噎せ込むといけないでしょ?
シッターさんたちに"これ"はさせられないと思い、あたしだけがみのりと滑っていたってわけ。
(シッターさんたちは滑り台の下で待機して貰ってた。ひいろたちが滑るときもプールの中で見守ってくれていた)



『このプールは危険が沢山ありすぎます。今は使用にならない方が宜しいのでは』


新庄さんが、あたしに昨日掛けてきた言葉。

いつもよりも真剣だった。
ううん、違う。
いつもより、あたしに懇願しているようだった。

みのりがまだ小さいのもね?

新庄さんはこうなることを危惧していたんだよね?

彼女を見る。
新庄さんは勿論だけど制服姿でいる。

ただし、いつ、何時、プールに飛び込むことがあるかも知れないと、いつもは手放さないストッキングを今日は履いていない。

シッター達に休憩を取るときは必ず交代で、誰かがお嬢様方に必ず付き添うようにと、再度指示を出していた。



さっきは本当に何事も無くて良かった…。

昨日は、あたしが自棄になって抗議したもんな。
何かあったら大変な事になっていた。

昨日は…。

あたしの思考を遮るように、
「ママーー!、桃ちゃんと一緒にお食事したいー!いいでしょー?!」

プールから、ひいろの声が聞こえてきた。

空を見上げると、太陽の位置が真上に上がっている。

クスっ

やっぱりね。

プールを見ると、子供達が上がって来た。

ひいろとみのりが、桃子ちゃんを真ん中に手を繋いで歩いてくる。

可愛い三姉妹のようだ。

桃子ちゃんはひいろと同じ学年。
だけど、ひいろは早生れで、桃子ちゃんは4月生まれ。
おおよそ、一年の開きがあるから姉妹に見える。

絶対に離さないとばかりに、ひいろは片腕にしがみつき、みのりは桃子ちゃんの腰に抱きついている。

「ねぇ、ママ?いいでしょ?桃ちゃんと一緒にもう少し遊びたい」
「まんま、みぃちゃんもあそびたいのー!」
「つくしママ。桃も、もう少し遊べるの」

可愛い顔をした3人に見つめられること数秒。

あたしは少しだけ、困った顔をして見せた。

その傍らで桜子が、
「我が家は全く問題はありませんの。先輩はご予定はいかがです?」

桜子が申し訳無さそうに聞いてきた。

「ご予定があるなら、無理はいけませんからね。桃子さん?」

桜子が、娘に言い聞かせている。

これもあたしの想定内。

良いお母さんになったもんよ。


クスクス


「良いに決まっているでしょ?お昼のメニューも考えてあるのよ?食べて行ってよ」

「やった~~!!ママ大好き!!」
「まんま、すきーー!!」
「つくしママ、ありがとうー!!」

あたしの言葉に目を輝かせる子供達。

桜子のはにかんだ笑顔。

周りの使用人さんたちも、和やかな雰囲気を喜んでくれている。

週末だもの。
明日からまた仕事だよ?
子供達と楽しい時間を満喫したいじゃない?

チラッと、新庄さんを見る。

少しだけ、顔が強ばった気がしたけど、あたしと目が合うと、軽く頭を下げてきた。

その瞬間、何だが奥歯にものが挟まったような、難とも云えない感じがした。

昨日も感じたけど、司に会えない寂しさと、子供達と楽しく過ごしたいという気持ちで、その感覚に蓋をしてしまっていた。


「桜子、和也君は?」
「出張ですかね?今晩帰って来るようです」
「うちは、よくわかんないけど、仕事みたいだわ」
「細かい情報は聞かないのですか?」
「桜子は和也君が、何処に何の仕事で出張なのか、全てを把握してるの?」

「まさか?」

二人で顔を合わせて大笑い。






数時間後、気になる何かを突き詰めていれば良かったと後悔する。

そして、昨日からの自分の行動を恨めしく感じた。


なぜ、反対を押しきってまでプールを出した?

なぜ、桜子を誘ったの?

なぜ、食事を共にしたの?と。



司にすぐに相談すれば良かった。



そうしたら、回避出来たかもしれない。



自分自身でも病んでしまうほど悩むことになる。
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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