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真っ赤な真実3

『つくしちゃん、ゴメンね。つくしちゃんが疲れているって、タマさんから聞いていたんだけど…』

「あたしですか?昨日、今日と体調は万全です。というか、あの時は心配させてすみません」

司が出社して暫くしてから直ぐに、プライベートルームに牽いている電話にお義姉さんから連絡が入った。

『何、謝っているの?義妹を心配するのは当然でしょ?』

パーティーで意識が朦朧とした後からはタマさんがあたしにベッタリと張り付くようになった。
(司がタマさんに、くっつき過ぎだと溢しているのを何度か聞いた)

『疲れとか、ストレスとかって、自分では分からないこともあるからね?』

「そうなんですかね?」

『そうでしょ?』

あの時、主治医の先生に診てもらった。
血液検査とか様々な検査を行った。
妊娠も疑われた。
(そうだったら、良かったのにと思う)

結果として、疲労ということになった。
夏のこの猛暑も影響しているのだそうだ。

「ですね…。あたし 、そういった類いのモノとは無縁と思ってましたから…」

『ダメダメ、出産後三年はまだまだ安定しないんだから。って、一人しか産んでないわたしが言うのも何だけど…。クスッ、でもさ、タマさんがベッタリとしているのもストレスだったりして?』

「あぁ~?もしかして、そうなのかもしれません…」

「冗談ですよ」とちゃんと伝えて。

それでも電話越しに大笑いした。

司がお義姉さんに今の現状を話して、タマさんに休息を取らせるようにしたんだと思う。
(実はタマさんもバテてきたところなのよね)

あたしが、『そうかも知れない』と言った後に、『やっぱり…』と呟く声を聞いたもの。

それにタマさんが云うほど、お義姉さんは気分が安定していないとは思えなかった。
(電話越しでも話す内容とか、トーンとか何時もと同じだもの)

よくよく考えてみれば、普通の会社員なら、お盆休みなるものが存在するべきだし、一週間から十日あまりの休暇を取るのは別に悪い事ではない。

言っときますけど、他の使用人にはちゃんと夏休みを与えてますからね。
(誰に言ってるんだろ?)

『良かったわ。つくしちゃんが元気そうで。それで司はまだそこにいる?』

「あっ、今日は久しぶりに凄くゆっくりとしていて、八時まではいたんですけど…」

お義姉さんに出社したことを伝える。

『つくしちゃんも出社の時間でしょ?朝早くにごめんなさい。じゃあ、またね』

お義姉さんと電話だが話が出来た事で、さらに心にゆとりが出来た。

司とも今日はしっかりと対話が出来た。

何だか体が軽くなる。


司は忙しいのか、この1ヶ月あまりすれ違いが多かった。
今年に入ってから、朝一緒に御飯を食べて、それから出社するなんて事は、ほとんどなかった。

今日は四人で朝食を食べて、司の出社の支度をした後に、二人で子供達の朝の準備を始めた。

ひいろの仕上げ磨きをしたり、みのりの体温を計ったり、朝の食べたものを記入してくれた。





「何時も、大変だな…」

「何~?司、どうしたの?ひいろの仕上げ磨きはいつもは夜だけよ。朝まで毎日は無理。司も知っているでしょ?今日は甘えたのよ。ねぇ?ひぃちゃん?」

「違うの?前歯に野菜さんが挟まっちゃったの!」
ひいろは生え代わりの時期で少しだけ前歯に隙間が空いてきた。
だから、貝や繊維のしっかりした野菜等が挟まり易くはなっている。
けど、今日の朝御飯では、大丈夫だったでしょ?

ひいろの小さな嘘を微笑ましく感じた。

司と目が合う。

きっと司も同じ思いをしていたと思う。
凄く照れた顔と、ただただ愛しいと目が語っていたもの。

「つくし、何時もありがとな。…無理はするなよ。まぁ、タマは暫く留守にするが、その代わりに新庄がいる」

新庄さんは"ポストタマ"と呼び声の高い古参の使用人さん。

歳のころは…。

聞いたことない。

多分、五十代の後半。
いや半ばかな?
てか、仕事中での、そういう類いのじゃれ合いは彼女の前では御法度だ。

タマさんよりも仕事に厳しいのだろうなという感じがビンビンと伝わってくるような人。

それもあってか、司が、小宮さん達にもカバーさせると言ってきた。

それなら安心か…。

だって、怖いじゃないの…。





その日の出社はこれから出張するの?と云わんばかりに、あたしにキスの雨を降らせた。
(出張に出掛るときは、必ず何日分かのキスをまとめてしてくるのよね…)

使用人達の前ではしないでって言ってるのに…。

しっかりと(?)邸のエントランスまで、三人で見送り、そこでキスをしてきた。

ひいろにも勿論の如く、顔中を舐めるかのようにキスをしようとして、拒否られていた。

みのりも真似をして、イヤ~って、言った時はさすがに司も凹んでいた。

みんながその光景を見て、何故だかほんわかするという、なんとも言えない光景が広がったのよね。



だから、この日の夜もきっと良いことがあるに違いないと思って、仕事に励んだ。



あんまり期待しない方が人生は良いのかも知れない。


その事を子供に言われた時ほど、心に刺さるものはないのだと、親になって知った。


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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

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ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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