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真っ赤な真実2

今日の朝は何時もよりゆっくりと感じられた。

そして、幸せな時間に充ち溢れていた。

いつもは毎日朝から動き回り、あっという間に家を出る時間になる。

ひいろは英徳の幼稚舎に。
みのりは道明寺ホールディングスの社員達向けに開園した保育園に行く支度をしなければならない。
(あたしの会社のマンションの一階に開園してるの!)
勿論、自分の支度も。

仕事をすることを選んだ。

自分で作り上げた会社から、すんなり身を引く事ができなかった。

欲張りで、以外と未練がましいのだと知った。

自分で選んだ道だからこそ、弱音を吐かない、吐けないと自分を叱咤してきた。



そんな気持ちだから、いろんな所に歪みが出てくるのかな…。



昨日は司が何時もより早く帰宅し、子供達と一緒にお風呂に入ってくれた。

そんなことは、一週間に一回あれば良い方。

子供達と一緒に過ごす。
普通のことだけど、普通じゃないんだ。

そう思うようにしているの。

だから、あたしはそんな事でも凄く嬉しくなる。

ひいろは、お風呂に入る前に、
『ママがお風呂に入っている間に、ご本を読んでくれる?』
って、司に聞いている。

司も凄く優しい顔で、
『何でも好きな本を読んでやる』
そう、返事を返すと、ひいろとみのりはジャンプして喜んだ。

『良かったね。トトロを読んでもらおうね?みぃちゃんは、大好きだもんね』
ひいろの問にみのりは体を揺らして喜びを表している。

みのりの大好きな"となりのトトロ"の絵本。
子供達に大人気の作品。
(保育園でよくビデオを見ているようなの)

『とろろ?そんな本があるのか?』

『ト・ト・ロ!パパ、知らないの?トトロよ!』

『あぁ、あの話か』って、司は呟いたけど、絶対にわかってないわよね。

たま~に、(本当にたまに)司が本を読んであげているけど、分厚い絵本を、そもそも司はチョイスしたのを見たことがない。

以外とひいろは妥協知らず。
お風呂に入っている間に、司に主題歌を教え込んでいる。

そこから入るの?

『みぃちゃんは上手に歌えなくても良いわ。でも、パパはダメよ。大人だもの。そうでしょ?』

みのりを脱衣場でタオルにくるんでいると聞こえてくる司の歌声。

しかも、
『歩こう~、歩こう~、わたしは~元気~』って、似合わないことこの上ない。

思わず吹き出して、笑っていた。

『おい、つくし!そこで笑ってんじゃねぇ!』

風呂場から響き渡る司の声。
きっと、笑いこけながら言っているに違いないの。

『パパ?何で笑うの?もう一回歌いたいの?ダメよ?最後までちゃんと"ひぃちゃん先生"の言うことを聞かないと』

ますます笑いが止まらなくなった。

あたしが声を出して笑っていると、みのりも声を出して笑い、
『あうこ~、あうこ~』
と何度も繰り返し、歌を歌いながら喜んでいる。

あたしがお風呂に入っている間には、最初の約束の通りに、ひいろとみのりに本を読んで聞かせていた。

寝室からも"三人の歌声"が聞こえていたもの。

あのシリーズの絵本ってさ、分厚いのよね。
寝ながら読むと重いしさ。
疲れていると、敬遠したくなるのよね…。

司は、子供達を寝室にある子供達用のベッドに寝かせながら、読んでくれていた。

何時もキングサイズのベッドに子供達二人で眠る。

最近は子供達二人の間に入って、そのまま眠っていることが多かったかも。

『ありがとう。司、早く帰って来てくれて』

素直に感謝の言葉を口に出来た。

『あのデケェ化け物の話、何がそんなに面白れぇの?』
司は理解不能と云わんばかりに頭を掻いていたっけ。




朝までずっと司に抱かれていた。

夜寝る前から朝起きるまで、ずっと腕の中にいた。

あたしの髪を撫で、頬や唇に優しく触れ、そして、強く強く抱きしめられる。

「無理すんな。何かあったら人にちゃんと頼れ」

「うん」

「……」

「何よ?」

「いや、あんまり素直過ぎると怖ぇ~」

高い鼻を思い切りつまんでやった。
痛ってぇ~、と言いながら笑っていた。

司は今年に入り、徐々に忙しさが増してきたみたいだった。
(冬はそうでもなかったかも…。春が来る頃になったら途端に仕事が増えた?)

その事があたしの気持ちと関係があるのか、あたしは、イライラしたかと思うと、直ぐに眠気が襲ってきたりと、自分の体をコントロール出来ない時が増えてきた。

大事なパーティーで意識が朦朧としたりもした。



今日は司が、久しぶりに一緒にキッチンに立ってくれている。

しかも、平日の朝から。

あたしの指示通りに、卵をかき混ぜ、レタスを千切ってくれる。

ポロポロ…

ポロポロ…

何で、こんな時に涙が零れ落ちるのかな?
精神的に疲れているって言っているようなものでしょ?

司に隠れて涙を拭う。

司を見ると、真剣にサラダを盛り付けている。
("よし"とか、"俺ってセンスいいな"とか、スッゴい独り言を言ってる)

良かった…。

バレていない。

司に気付かれないようにまた涙を拭う。

「子供達を起こして来るね」

司の返事を待たずに、そう言ってその場を去った。




司は、サラダを盛り付けることを止めて、その場を去るつくしをしっかりと目で追う。


その直後に…


「…ったくよ。…めんどくせぇ女だよなぁ!俺にさせなくてもいいことをさせるんだからな…。いいか?この事を忘れんじゃねぇぞ…。覚えてろよ…」

司は唸るように声を絞り出しながら、そうはっきりと呟いた。
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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