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真っ赤な真実1

コンコン

重厚な扉の向こうから扉を叩く音。

司が入室の許可を下す。

暫くしてから、黒淵眼鏡をかけ、髪の毛をきちんと七三に分けた男が入ってきた。

「失礼いたします」

司は持っている書類から目を離し、男をチラッと見てから、また書類に目を移した。

男が話す前に司が話しかける。

「西田…。お前の今の顔からして、"万事上手く進んでおります"そう言いたいんだろ?」

司は、書類に目を通しながら秘書に尋ねる。

「司様に悟られるようでは、この西田もまだまだ修行が足りないというところでしょうか?」

司の右腕として采配を振るう有能な秘書は、そう言いながら、頭を少し下げる。

「お前ぇがそう感じるなら、そうなんじゃねぇの?」
片方の眉を器用に吊り上げて、そう返した。

「実は、完璧には少しだけ時間がかかりそうです」

司の顔がその言葉にひどく歪み、西田を睨み付ける。
西田は司から目を離すこと無く話を続ける。

「タマさんのことですが、一日だけなら頂くが、二日以上はいらないと拒否しているようです」


…つくしの事か?


書面から目を離した司は、目を細めて西田を見据えた。

「そこが今回、一番の肝心なところじゃねぇか?」

「はい。ですので、司様のお力がどうしても必要なのです」

西田は仰々しく頭を下げてみせる。

司は、まだ頭を上げようとしない西田を睨み付けながら、携帯電話を取り出した。

暫く携帯電話とにらめっこしてから、何かを打ち始めた。

「西田、暫く待てよ。あっちはまだ朝の6時だからな?電話を先に入れて、姉ちゃんの機嫌が悪くなったら…。この計画はパーだ」

「心得ております」

西田は司の携帯電話から発しられたメールが、遠くアメリカに住んでいる司の姉である"椿の目"に一刻も早く届き、次の段階へと進みたいと願っている。

幸いにも、八分後には司と椿とでやり取りが行われ、椿がタマを自分のところに呼び寄せるようにするとの確約を得た。

「あとは抜かりはねぇだろうな?西田…」

そう言いながら、西田をしっかりと見据える。

「万事お任せください」

西田は深々と頭を下げた。

「西田?今日のこれからはわかっているな?」

「勿論でございます」

「明日のあさ八時まで俺をゆっくりとさせろよ?」

「承知しております」









室長室に戻ると、直ぐ様アメリカのおもちゃメーカーに輸送の手配を始める。

その後、美作商事の会長に連絡を入れる。

「会長、お忙しいところ申し訳ございません。実は早急にお知らせしておきたい事がございまして…」



「西田くんも中々に忙しいな…。今の会話は録音から除外しておくから心配するな」

「御配慮頂きまして、申し訳ございません。会長」

見えない相手に深々と頭を下げる。

「お互い様だ…。頭をあげたかな?クックッ…」


数分の電話での会談後、西田は分厚いファイルを手に取った。

今年の春からこのファイルを作成し始めている。
美作の会長に電話を入れる直前にも目を通した。
再度、一通り目を通す。





その後、社の重要機密事項を管理する管理室にその分厚いファイルを運び込む。
その管理室には、指紋認証と声紋認証のダブルロックを備えてある、いわば金庫のような部屋がある。
西田はそのロックを解錠して中に入った。







司様の瞳に暫く宿ることがなかった青白い炎のような光。


久方ぶりに見ただろうか?


馬鹿な女だ…。


大人しくしていれば司様のお側に仕えていられるものを…。

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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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