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はてなの翼2

東京の目映いばかりのネオンの輝きが、少し落ち着いてきた。

『三百メートルで目的地周辺……』

こんなところまで引っ張り出して、一体どうしろと言うんだろうか?

出発する前に、あの馬鹿男に指定されたコンビニを入力した。
最新式のナビは一時停止の位置までアナウンスが入る。
ナビの言うとおりに制限速度もバッチリな完璧な初心者マーク運転。(若葉マークも勿論貼り付けている。しかも前後に!!)

だいたいの場所は分かってはいるけど、自分の運転で立ち寄ったことはない。

昼間なら絶対にこんな道一人じゃ走れないよ。

少し郊外なため、駐車スペースも何台分かは確保されている場所だったはず。

あぁ、あそこだったよね?

今から行くコンビニは、アメリカ合衆国発祥のコンビニ。日本においては最大手であり、チェーンストアとしても世界最大の店舗数を展開している。

アナウンスが入る前に、ウインカーを出して、左折の合図をする。

『目的地に到着しました。音声案内を終了します』

小さくガッツポーズ。

よっしゃーーー!!
機械に勝った~!
(ナビさん、ごめんね。勝手に戦いを挑んでました)

そして、これから戦い(?)を挑むであろう馬鹿男を軽く睨んでやる。


早くこの場から立ち去らなければならないなと、心に誓う。

あのね、黒づくめのバカデカイ集団。

しかも、立ち寄る客に警戒心がビンビン。

だから、あなた方の警護対象者に手出しする人はここにはいないよ。
(絶対にとは言わないけどさ…)

コンビニ側から営業妨害で通報されないか、ヒヤヒヤしている。
(一般のお客様に非常に迷惑だよ…。)

何でこうなるのかな?

つくし、ここは大人の対応だよ?
(もう、大人だけどさ)

要件を済ませて、立ち退こう。


って、やめてーーー!!!


皆が勢揃いして頭をこちらに向かって下げてますけどーーー?!!

馬鹿男は腕組みして笑ってるし…

はぁ…、早く立ち去ろう…

「遅くなりました」

東野さんと斎藤さんらのSPの面々に、 労(ろう)を労う為に頭を下げた。

「いえ、牧野さま。こちらこそ、遅い時間に申し訳ありません」

うんっ?

キョロキョロ

「牧野さま?どうなさいました?」

「えっ、いや、防犯カメラ以外にカメラがあるのかと思ってしまってですね…」
(いたずらを仕掛けて、人間ウォッチングする番組じゃないでしょうね?)

「遅かったな。疲れたか?牧野、お前何飲みたい?」

へぇっ?

いいから来いと、手を引かれてコンビニの中へ。

コーヒーや、スムージー、豆乳などが並んでいる一角に気付けば二人並んで立っている。

えっ?

いやいや、
何々?
何なのーーー??!
訳がわかんないーーー!!!


「お前の好みはこれか?」

司はヒョイと手に取り、つくしに見せた。

アメリカシアトル生まれのコーヒーのチェーン店。日本では大学の構内や、デパート内、駅構内にまで店舗を拡大しており、サイレーンのロゴで人気のメーカー。
(サイレーンとは、ギリシャ神話で登場する美しい歌声を持つ半人半鳥の美しい女性のこと)

そこの商品を両手に取った。

ストロベリーマーブルケーキラテを右手に。
アイスオレンジブリュレラテは左手に。


うん。
これは完全に、貴方様が飲みたいコーヒーではないのは分かるよ。

だからさ…

「お前さ~、そんなに食い入るように見んなよ。どっちも飲みたいってか?」

「へっ?いや、そうじゃなくてね…」

この男、人の意見とか聞く気はあるのか?
いや、全くないのは知ってはいるけど。

なんで、こんなとこで、こんなことをするのか聞くけど、『嫌なんか?』と、それで終了。

「俺と夜にコンビニで買い物とか、たまにはいいだろ?」

「いいよ!って、そうじゃなくてね…。一体どうしたの?やっぱり酔ってる?」

スタスタとレジに商品を持っていき、カードで支払いを済ませる。

コンビニのビニール袋をぶら下げて歩き出す。

出入口には斎藤さんらが待機していて、その様子を見た面々は深々と頭を下げた。
(てか、レジのお兄さんドン引きしてますからーーー!!!)

「牧野さま、我々は此処で解散させていただきます」

ご苦労様でした。そう彼等に告げる事しかできない。

頭の中は"?さんたち"で埋め尽くされていて、思考回路が切断されているってこともある。
それと、一刻も立ち去りたい心境が絡み合って、彼等に今ここで、この現状を追及する気は微塵も起きない。

遠隔操作で、車のロックを解除する。
当然のように助手席に乗り込む馬鹿男。
(運転席のドアはこの馬鹿男が開けてくれました!)

買ってもらったアイスオレンジブリュレラテの方をカップホルダーに入れて、エンジンをかける。

このオレンジ味、実は飲むのは今日が初めて。
(長いから、オレンジ味でいい?)
隣にあるホルダーには同じメーカーの真っ黒いパッケージのコーヒー。
(選ぼうともしたことがないから、名称が不明)

ストローを取って、カップに突き刺す。

ちゅゅうう~

美味しい~
コーヒーの中からオレンジの香りと風味が…

爽やか~
美味しい~
う~ん、間違いない!!

「美味しいか?」

「うん、美味しい」
条件反射で答えてしまっている。

隣を見るとドアに左の肩を凭れながら、こちらを見て微笑む馬鹿男。

ネクタイの結び目に人差し指を入れて緩めてる。

この仕草って、ヤバくない?

「何、見とれてんだ?」

ふぁ?

そ、そうよ!
こうしちゃいられない!
しっかりしろ!つくし!!

ギアをバックに入れて、後ろや、脇に人がいないか確認。

あ~、早くからここから立ち去らなければ…

秘書の東野さんと、斎藤さんらのSPの面々は、この車が公道に出て、走り出すまで頭を下げ続ける気でいるらしい。
(店員さん、その様子をガン見してる…)

立ち去ります!
一刻も早く去りますから!!

バックし終えると、ウインカーを今来た道を折り返すべく、右に合図する。

「あっ、そこ左に行ってくれ」

「はい?」

あれこれ文句を言っても、絶対に聞きっこないし、こんな夜に酔っぱらい相手に説教しても"糠に釘"だわよね?

「カヌーに肉?何じゃそれ?」

隣で何か言ってる…。

どう聞いたら、そうなるわけ?

もう、どうでもいいわ…。



「何か、食べに行かね?」


はぁァァーーー??!


左にウインカーを出しておきながら、エクセルを踏むことなく、そこに停車したまま。
(思わず、急発進して、事故にでもあったら、どうするの??)

バックミラーを見ると後続車がわたしたちの動きを待っている。

「おい、何してんだよ。早く行こうぜ」

料亭行ってたのよね?

十時を回っているよね?








ナビに載っていねぇから、俺がナビってやる。

そんな事を言われて、車を走らせております。
(これ、めっちゃ最新のナビなんですけど…)

「あと、三百メートル位進んだら、信号を右に…もう、車線変更しとけ。そう、そこの信号…」



思考回路がまたまた停止。


行き着いた所は…


ラーメン屋さん???


隣に座っている男は満面の笑み。



神様、これは夢ですか?



やっぱり、人間ウォッチング番組の収録でしょうか?
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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