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悪友と親友5

か、体が動かない…

「…牧野、牧野大丈夫か?顔色悪いぞ」
あきらが俺が出るからと、つくしを手で制した。

あきらはインターホンに映る姿を確認する。

「秘書だわ」
「えっ?出るの?美作さん? ヤダ…」

つくしの青ざめた表情に、あきらはただ事ではないと感じた。

「…牧野、どうした?」

ピンボーン

ピンポーン

「出てくるぞ」そう言うと、あきらはリビングの扉を開けた。

「ま、待ってあたしも」
つくしはよろよろと椅子から立ち上がって、あきらの後に続く。

よろめくつくしを優紀が支える。






段ボールを持ち抱えたあきらがソファーに戻る。
優紀に連れられたつくしが椅子にドサッと腰掛けた。

はぁ~

美作さんとこの秘書さんだった…

くぷー、

ぷっ、ぷっぷっぷっ

机に突っ伏しながら、安堵感で笑いが漏れる。

ちょっと、涙が出るのは、なんでだろう?

笑っているから?

ううん、違う

たぶん、安心感とアイツを思い出しているから…





あきらは段ボールの中に手を入れる。

中から黒いブツを手に取る。

「ホラよ、総二郎。コレだよ」
そう言いながら手渡す。

「今までのより随分と軽いな」
そう言って、しげしげと眺めて弄りだす。

「スゲーな……」

やっぱりアイツら最強だわな。

総二郎はつくしを見た。





「ぐすっ、先輩すみません…。何だか最近、感情のコントロールが衝かなくて…。」
桜子は滋に背中をゆっくりと擦って貰っていて、少しずつ落ち着いて来ているようだ。

「先輩、先程冷蔵庫の前で泣いていらしたのご自身で分かってますか?先輩は溜め込み過ぎなんですよ。私みたいに吐き出したら宜しいのに…」

「うん。つくし、冷蔵庫の前で泣いていた」
桜子の言葉に合いの手を入れる優紀。

「私たちに言える事でしたら皆さん何時でも先輩の話を聞きますよ」
優紀も滋も大きく頷いた。

「いろいろ不安ですよね?考えてしまいますよね…。これでいいのかなって、毎日考えますよね」
そう言いながらも、またポロリと涙を流し始める。

隣に腰かけたつくしは、桜子をそっと抱きしめた。

ありがとう

ごめんね

何度も何度も繰り返し、背中をさする。

今は桜子の方があたしよりも何十倍も不安でいっぱいになっているはずなんだ…。

今は涙が勝手にこぼれ落ちるのが分かるよ。

ちゃんと泣きたいって思ったから。

優紀は二人を見て、「もう、もらい泣きしちゃう」と言ってハンカチで鼻を押さえ、滋は
チーンと勢いよく鼻をかんだ。

みんながいてくれて何かスッキリした。

「あ~、そうそう類が持ってきてくれたケーキがあるんだ。食べよう!おー!!」

つくしは拳を突き上げた。

お腹くらい、好きなモノで満タンに満たしていいよね?

ケーキを持ってきたつくしは、「良かったら話を聞いてくれる?」ってはにかんだ。


「………てな訳よ。イヤな夢でしょ~?」
昨日見たばかりの夢を聞いてもらう。
「本当にデジャブかと思っちゃって。あ~、焦ったわ~」

夢の中で、道明寺が帰って来たのかと思ったら西田さんで、仕事が上手くいかなくなったので、もう二度と日本への帰国は叶わないと告げられてね。

代わりと言っては何ですけど、西田と付き合ってくださいなって、お母様があたしに頭を下げるの。

どう?

言葉に出してみると、物凄く滑稽だ。

段々と冷静になってくる。

そうなるとアイツに対して何かイラッとしてきちゃう。

困ったもんだ。

ずっと可愛い子ちゃんでいらんない。

(イライラする原因は、なんとなく自分で分かっているの。あたしの事を忘れているんじゃないかって。そんな不安からなんだ…)


「ヤッパ、秋はモンブランだね~。あたしもここのケーキ好き。クリームが美味しいよね。ホントおいひ~」
滋はすでに二つ目だ。

「それにしても桜子、すんごいの選んだわね」

「そうですか?フルーツの甘酸っぱさとチーズの塩味がマッチしてますわ。
一見するとミスマッチですが何事も召し上がってみないことには分かりませんですわよ。
試してみないと分からない相性ってありますもの」

桜子はチーズが乗った苺をフォークで刺し口へと運ぶ。

「合わなそうで合う。先輩と道明寺さんみたいですわよ。あっ、私も、ですわね?」

あっ、ただ単に食味が変わっただけかもしれませんけれども。そう言うと桜子は綺麗にウインクして見せた。

「何かちょっとエロくない?その言い回し」

「そうですか?意識し過ぎです」

くすっ
くすくすっ

ふふっ

ははっ

何だかまた少し涙が出る。


リビングのソファーに腰かけていた類と目が合った。

「類~、フルーツグラタン食べない?桜子がさ、意外とイケるって。食味が絶対変わったって言ってるの」

ハンカチで目頭を押さえながら、ケラケラ笑って手招きした。

ケーキのお誘いをすると、類が両手にグラスを持ちながらこちらのスペースにやって来た。
「ハイ、二人に俺からスペシャルエナジーカクテル。どうぞ」

あたしと桜子にグラスを渡して、
「このフルーツグラタンのお店で出されてる名前は知ってる?」

そう聞いてきた。

ううん。

知らない。

『ハーモニー』なんだって。

ポンポンと軽くあたしと桜子の頭を撫でる。

あぁ、また涙が出る。

感情が揺さぶられる。

道明寺のバカ!!!

電話くらいしてきなさいよ!!



もう、何日も声すら聞いてない…



体がアイツを求めているのが分かる。



弱い女になっていく



どうしよう…




このまま戻れないなんて言い出したら…



絶対頭がオカシクなるよ…



ねぇ、道明寺



こんなに弱くなったあたしなんてもうイヤになっちゃう?
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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