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ひな祭りは麗らかに3

俺が邸にある執務室からプライベートルームに戻ると、つくしとうららの会話が聞こえてきた。

「四月になったら、ママとお別れするの?うららたぶん、耐えられない…。
泣いて、泣いてきっと、学校に行けなくなるよー!」

何やら、雲行きの怪しい会話じゃねぇか?

そのため、そっと奥に入り、ドアの隙間から、中を盗み見る。

何で、自室に戻るのに、こんなに気を使わなきゃなんねぇの?

つくしに抱きついている娘のうらら。

つくしがこちらに気付いて、あっちに行けとばかり、目を送ってくる。
仕舞いには、犬を追い払うように、手の甲を見せて、シッシッと手を振り始めた。

そっとドアを閉める。

娘のうららはだいぶ、感情が高ぶっているようだ。
その場から離れようとすると、聞き捨てならぬ言葉が次から次へと耳に飛び込んでくる。

「パパが違う所に行けばいいんじゃない?」

「う~ん…」

「パパが出ていけばいいんだよ」

「う~ん…」

「だってそうでしょ?うららが大きくなるから、一緒のお部屋で眠るの禁止って、いうなら、パパが出ていけばいいんじゃない?」

「う~ん…」

「ママも本当はそう思うでしょ? 」

「う~ん、確かに…」

おいおい、馬鹿言ってんじゃねー!!!

危うく、扉を開けて、声を出しちまうとこだったじゃねぇか!
子供の言うことを、何でも聞けばいいってもんじゃね~んだよ!

只でさえ、つくしを抱き締めて眠りたいのに、チビがつくしを占領しようとしているんだぞ。

生物学的見解からいっても、第二成長期の始まりが起こる頃だし。

性教育も、この年から本格的に始まると聞いたから、この歳が寝室を別にする年齢だと思っている。

「うららは、四月からは四年生でしょ?お姉ちゃんたちも、お兄ちゃんも、四年生になったら自分のお部屋に寝ることにしているのよ」

「誰が決めたの?もしかして、パパ?」



暫く間が空いてから、
「確か…。そうかな?でも、お姉ちゃんたちは小学二年生の時には、下に二人の兄弟ができたでしょ?
同じお部屋だと、よく眠れなくて、物音がすると起きて来るようになったのよ…。だから、ママもその方がいいかな?って、思ったんだけど」

「いや、パパだね…。パパがママを独り占めしようと目論んで決めたことなんだよー!」

さすがだ…。

さすがは我が娘。

うららその通りだ。

(つくしは司の本当の本心を知らない。
性教育だの、二次成長云々は、つくしを納得させるために後付けした事項であって、完全に自己を正当化したものなのだ)

「うららはママのことが好きで、好きで、ずっーーーと、ママと一緒にいたいよー!たぶん、好きを通り越して、愛してると思うの!」

娘の言葉にドキリとした。

「愛してるってどんなことか分かるの?」

「たぶんだけど、わたしだけを見て欲しいとか、離れたくないとかでしょ?」

つくしは大きな目を更に大きくする。(司には見えてない)

「うらら、本当にうららは一番の甘えん坊さんだね」
「ママ~、もっと強くギュ~~ってして 」
「わかったわよ。これでいい?」
「ママ~、うららね…、ママにこうされると幸せなんだよ~。ずっとずっとママと一緒にいたいよ~~」

「ママも幸せだよ。今日はうららを抱っこして眠るからね」

「うららね、ママの中にまた入って、一緒になりたいよ~。きっと、暖かいと思うの。ずーっと、ずーっと、繋がってたいよ~」

娘の言葉にギョッとした。

心臓が飛び出るかと思った…

「う、うらら…。そ、その言葉はパパの前で言わないでよ?」

つくしは頬を紅く染める。(司には見えてない)

「何かあるの??」









「うらら、四月から四年生だな。一つお姉さんだ。
なぁ、うららはいつまでパパとお風呂に入るかな?」
「パパ、うららとお風呂入るの、楽しい?」
「楽しいというよりは嬉しいかな」
「うららもパパとお風呂に入るの、スッゴく嬉しい!ずっとこうしてパパと入りたいな~」

得意の(?)上目遣いで司を見て、笑いかけるその笑顔。

まさに天使だ。

自然に顔が綻ぶとはこの事だ。
「お姉ちゃんたちはいつの間にか入らなくなったし…。うららだけだ一緒に入れるのは」
「ふ~~ん、うららも、もう少しでパパとお風呂は入らないよ」
「そうなのか?何で?」
「もうすぐ四年生だから。大きくなって一緒に眠るの禁止なら、お風呂も当然ダメだよね?」

いやいや、そこはきっちり線引きしなくても、いずれは一緒には入らなくなるしな。

だろ?

返事を先延ばしにしていると、
「うららがママと、毎日お風呂に入ってたら、パパはママと入れないね?」
そう言って、こっちを見てにっこりと微笑む。

へっ?

今、何て言った?

目の前には、つくしに似ている可愛い娘の笑顔。

若干、悪魔に見えるのは何故だ?

お前は天使じゃねーのか?

風呂場につくしが入ってきた。
「司、チビちゃんも一緒にお風呂に入れてー!って、司~?!何、ボーとしてんの?大丈夫?!」

何だか意識が遠退きそうになった。

「ママ~。うらら、ママとお風呂に入るのを我慢しないとダメ?」
「いや、女同士だし、歳をとってもずーーっと一緒に入れるわよ?いつもお姉ちゃんたちと時間が揃えば四人で入っているでしょ?四人入っても、ゆとりがあるって…」
チビを置いて、ブツブツ言いながら、扉を閉める。

「パパ、うららも上がるねー。そうそう、うららね、ずっとこのお家にいるかも~」


嬉しいような?


切ないような?
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コメント

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Re: 〇〇〇テ様

あっ、言い忘れてしまいた。

旧作はこちらのサイトではありません。

只今こちらに全部の作品を移行中です。

移行が終わり次第お出します。


よろしくお願いいたします。



〇〇〇テ様

ようこそ、お越しくださいました(*^-^*)

読者の方々と交流が持てる事に、本当にありがたい事だと実感し、また涙(* ̄∇ ̄*)

(年寄りだからかな?涙腺ゆるめ)

旧作についてですが、ブログの開始が、昨年の八月の末なんです。三ヶ月ほどは続いたのですが、年末となり、公私共々忙しくなり、休み休み長篇を書いておりました。

(旧作の長篇はまだまだ、続く予定です。今のところのわたしの構造としては、この長編をお話の全ての軸として扱おうかと思ってます。あくまでも予定です)

途中、別の長編にはちょこっと(名前なないけど)子供達が授かっていると書いた作品があります。

昨年の十月頃に送り出したものです。

そして、年度末と年度始めにかかり、さらにスマホに費やす時間が激減。

そこで、三月に短編としてファミリーものを書いて送り出しました。最初の登場は三女のうららちゃんで、この作品から命名しての登場です。

つくしの誕生日をスルーし、クリスマスもスルー。
司の誕生日もスルーした懺悔の作品?

仲良くやってますよ(うちの道明寺ファミリーはこんなにしたい)と願いを込めて送り出しました。

次に命名して送り出したのが、開万くんです。

なので、残りの三人はまだ、名前が出ていないんですよ~。

登場させるお話に、少しだけ名前の由来と掛けた話をと思っているんですけど…。

あっ、後でつくしと司の命名するときのエピソード話を書きたいと思ってます。

子供達は登場させた五人以外全く考えてません。
(まだ、二人しか命名しての登場はさせていないので…)

長女 未定
次女 未定
長男 開万
三女 うらら
次男 未定 となってます。

開万君とうららちゃんは芸能人で云うと…
(えりりん的なイメージはありますが、書いちゃうと固定されるので、皆様想像して、コメントでお送りくださいませ~❤️)

お待ちしてま〰️す(*≧∀≦*)

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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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