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リスペクト8

俺を悩ませていること…。

それは…

「お暑いですから、どうぞ」
そう言って、差し出される傘。
「いいって…」
「そう言わずに。お肌が焼けると大変です。白いお肌が…」

俺のこの断りは、決して遠慮から来るものではない。

何時の頃からか、俺が外を歩くときは、生徒の誰かが、日傘を差すようになった。

てか、野郎が近くにいても、何も嬉しくねぇんだけど。
てか、日焼けとか、何も気にしていねぇけど。

昨日から、俺を差してくる傘が完全に固定された。
例の傘だ。
しかも三本とも生徒たちに渡っている。

何でだよ?!

もの凄い憤りを感じて、クラスのいろんな女子たちに話を聞く。
(女は噂が好きだからな)

勿論、こういう時は威圧的な態度は良くない。
(常日頃学習している。女兄弟に囲まれてるし、今日も妹から教えを受けた)

どうやら、高等部のお姉様方が、俺の日焼けを心配しているらしい。
そこから広まったようだ。
(心配御無用!!俺は男だし、母さん譲りの色白は、はっきり言って、好きじゃない。白すぎるんだよ!)

因みに傘は、運転手から手渡されたようだ。
(多分、親父が命じたと思われる。親父に言われて断る人がいるのだろうか?類さんも、うちの運転手に渡したんだね…)

「あの~、その~」
クラスの女子たちは、何か言いたそうにもじもじしている。
誰が言うべきか、お互いに謙遜しあっている。
女のこうゆう譲り合いはイラつく…。
俺の上下にいる女兄弟たちや母親、おばあ様たちや、おば様方は、直球でしかも豪速球で来る人ばかりだ。
「何だよ?」
声に、顔に、態度に俺の苛立ちが出たようだ。
クラスの女子たちは、少しビクつきながらも、何故か顔を赤らめている。
「道明寺くんは、好きな子っていますか?」
勇気のある一人が、質問してきた。
「特にいたことはないけど」
「えっ?あっ、じゃあ、凄い事を聞きますね…」
スゲー、真剣な顔で、
「抱き締めるのと、抱き締められるのだと、どちらがいいですか?」
言い終わるか否か、キャーという黄色い悲鳴に包まれた。

なんじゃそれ?

「答えると、何かあんの?」
「べ、別に…ないですけど…」
「そう。俺はね…。時と場合によって変わると思う」
ちゃんと考えて、そう答えてあげた。
だってそうだろ?
普通なら抱き締めてあげたい。けど、俺が弱っていたら、抱き締めて欲しいとも思うだろ?
俺の答えって何か変だったのか?

俺の答えで、クラスの女子は顔を赤らめ、興奮し、(のぼせそうになっている女子もいた)それに吊られてか、男子の一部も顔を赤らめていた。


何なんだ?


まぁ、いいけど。


みんなの期待に添えた回答だったらしい。








その日、おばあ様が帰国した。

俺は親にも兄弟にも言えない愚痴や、悩み事を祖父母には話せた。
(普段、別々で過ごすからなのだろうか?)

「ですが、紫外線は1960年のときと今を比べると地球全体として増えていると言われています。ご存知?」
おばあ様は切々と紫外線にさらされることへの害を陳べ始めた。
「私達のように、日々飛行機での移動を余儀なくされている身となれば被爆量は格段と上がるのですよ」
「でも、モントリオール条約でフロンの排出が全世界で禁止されて以来、オゾン層の量は戻ってきているって、聞いたことがあるよ」
俺はただ事実を述べた。
俺の言葉におばあ様は、片方の眉をキリリと吊り上げた。
「温暖化で気温がどんどん上昇しているのですよ。その影響を受けることも想定しないとです」

そういえば、桜子さんも『その白い肌、焼くのは厳禁ですわよ』そう言ってたな。

滋さんに合ったときは、『カイくんは、今のこの少年さを保ってよ』そう言ってたな。

日焼けと関係ないか?

俺が学校で日傘を差される事を、あまりいい気はしないとおばあ様に話したら、このような論理的な話となった。

「つくしさんに似て、珠のような白さの肌なのですよ。焼けたら、シミになります。女性のようにクリーム等でケアをきちんとなさるとでも?これから社交界に嫌でも出て行かなければならないのですよ。男性と云えども身だしなみは大切ですからね」

それから、いろいろ云々と言われる。
椿おば様の息子(従兄弟)も肌のケアは気をつけていると言われた。

何だろう?

この人に言われると納得したくなくても、せざるを得なくなる。


やっぱ、スゲーな…。



暫く、おばあ様と学校での話をする。

「…お聞きしてもいいかしら?」
何だか、おばあ様らしくない。
少し聞くのを躊躇っている。
「何?」
首を傾げる俺に、
「貴方が好きになるような素敵な方は、クラスにいらっしゃる?」
そう聞いてくるおばあ様の顔が、少し紅らんでいるようにも見える。
(他人が見ても、この変化に気付かないかもしれないが、俺は何故か分かんの)

「男子でも、女子でも、人間的に魅力的な人はいます。勿論、年齢問わずにいますよ」
そう答えた。
「そうですか」
そう言ったおばあ様の顔は、クラスメートの女子たちを思わせた。
「乙女の顔になってますよ」
と言った俺の言葉に、
「そうゆう事をサラッと言うのは、おじい様譲りなのかしら」
おばあ様は、ますます乙女の顔でそう答えた。
(俺にはそう見えた)




「カイ~、カイ~、カイくーーん、どこ~?」

母さんの声が聞こえる。

全く、何時までも俺を子供だと思っている。

「大好きなヴァン・ルージュソースで、ハンバーグ作って貰おうか?あっ、ママお手製のポテトサラダも作るからね。ねぇ、おばあ様の所~?」

母さんは本当に変わらない。食べ物で機嫌を取ろうとしてくる。

妹や弟とまだ同じように接するんだもんな。


暫くすると、
「つくし~、どこだ~?」
今度は、親父が母さんを探して声を張り上げている。

おばあ様は呆れた顔をしている。
けど、少しだけ笑っている。

その昔、二人は犬猿の仲だったらしい。




あぁ、そうだ。
今日はもう一人、うちに帰ってくる人がいるんだった。



おばあ様を只の女性に変えれる、ただ一人の人。


スゲーだろ?



久しぶりに本当に勢揃いだ。



「開万さん、お母様の所にお行きなさい」



おばあ様の言葉を受けて、扉を開ける。




この世に立ちはだかる万(よろず)の至難をも、吉方へと切り開く。


俺の名前は道明寺開万(かいま)。
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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