FC2ブログ

記事一覧

主役は俺様だぞ?!(前編)


英徳学園大学にある一番の広さの大講堂。
その講堂では学園経済・経営学部の講義が行われている。

人気のある教授の講義だからなのか、あるいは受講する側に別の思惑があるからなのか、この曜日のこの時間の講義には取り分け多くの人が集まってくる。

講義を受ける学生は携帯電話の電源をマナーモードにするのは礼儀というか、当然の行為だというのに、講義が四十分を過ぎた頃に、一人の携帯電話が鳴り響いた。



ジリジリジリジリ

ジリジリジリジリ



「昔懐かしい黒電話の着信だな。誰だね?」

「俺です。失礼しました。切ります」

後列の左端に座っている薄茶色の髪の毛の美男子は淡々と教授に自分であることを告げて、電話を切った。

「花沢君か。大切な用事ではなかったのかな?かけ直してきても構わないよ」

「それなら心配は無用です。むしろ出ない方が良いくらいです」

「そうか。だがね、毎回こういったことがあると、こちらもそれなりの処遇をしないといけなくなる。分かっているね?」

「教授、失礼しました」

この教授、この学園を牛耳っているF4にも臆すことはない。
そういった態度や姿勢が学生全体の信頼を得ているのだ。

F4の一員である花沢類が教授に謝罪の言葉を発した時、この講義を受けている学生の多くが直ぐ様自身の鞄の中を開き、携帯電話の状況を確認した。

「いいでしょう」

素直に自分の非を認めて謝罪してくる好青年に、教授は少しだけ目尻を下げた。

「では続きを始めますがよろしいかな?」

教授の少し強めのこの一言で、少し喧騒しかけたこの場の雰囲気が、一瞬にして粛然たる雰囲気に変わった。

再度、講義が開始されて一分も経たないその時。


ブーブーブー
ブーブーブー


いつもなら、携帯電話のバイブ音等、誰も気に止めない。
教授の声に少しばかりの学生の声が交じるからだ。

だが、今は非常にタイミングが良すぎて、バイブ音ですら響き渡るという状態になってしまった。

「ふぅ、誰だね?」

仕切り直したはずの腰を折られる羽目となった教授は物凄く不機嫌そうな声をあげて、音のする後列の左端を再度睨むように見た。

教授の不機嫌そうな視線を浴びたのは、これまたF4の一員の美作あきらだった。

あきらはサラサラの少しロングの髪の毛で、バツの悪そうな顔色を隠しながら、携帯電話に手を伸ばした。








「おい!言っとくけど、半分は…。イヤ、ほぼ九十パーセント。イヤ、九五パーセントはお前が悪いんだからな!!何で、俺だけがペナルティーを受けるんだよ?!」

「どうして、あたしが悪くなんのよ?!自分が悪いんでしょ?!おかしいでしょ?!」


ここは、学園内にあるカフェテリア。
F4専用のラウンジは大学になっても健在で、螺旋階段を上がったこのエリアに出入り出来る人物はこの大学内に数人しかいない。
(勿論、表向きはF4専用とはうたってはいない。皆の暗黙の了解なのだ)

そのエリアで口論を繰り広げているのは、先程、携帯電話が鳴ったが為にレポートの文字数が五百字追加された男と、その携帯電話に掛けてきた彼の友人の彼女。
(長い?ようするに〈あきらVSつくし〉ってこと。で、類とあきらに掛かってきた電話の相手は司くんです)

一方的に悪いと言われて、頗る気分を害したつくしはあきらに向かって少し声を荒げた。

少し声を荒げたつくしに対して、あきらは声のトーンをなるべく平らにして諭すように話始めた。

「いいか?そもそもだな。牧野。お前は自分の取った行動をまるでわかっちゃいない。それがまず大問題だ…」



かくかく
しかじか……


「…てなわけだ。わかったか?」

「う~ん、分かったような。分からないような…」

「何がわかんねぇんだ?」

「わかんないよ。そもそも講義を受けている人の半数以上は男子なのよ?それに同じ学部で同じ学科なら選択する講義が同じになるでしょ?」

「…だからな。『一緒に行かないか?』の誘いには、結構です。って、バッサリ切り捨てるとかな」

「何よそれ。凄くお高く留まっている人がみたいじゃない?あたし、別に構わないんだけどね。一緒に講義を受けて、問題点を話合う。ダメなの?」

「ダメだろうが?仮にも司の彼女だぞ。司が知ったら大変だぞ。わかるな?」

「わかんない」

つくしの即答にあきらは、お笑い芸人宜しくズッコケ気味になる。

「そもそも、ここにいないのにどうやったら知り得る訳?あんたらがいちいち報告しなきゃ良い話でしょ?しかも、人と話しただけで怒るって何?そんな狭い人っている?」

「狭い?」

「そう。『ケツの穴が狭い』ってこと」

つくしはそう言い放つと、甘~くしたカフェオレを啜った。

「可愛い顔をして、『ケツの穴』の話?凄い内容の話をしてんだね?他の人が聞いたらビックリするよ?」

類は、つくしとあきらの口論している場面に風のように現れた。

あきらの横にスッと座り、天使の微笑みをつくしに降り注いだ。

「うあっ?!る、類?ち、違うのよ…。心が狭いとか、度量が狭いの意味合いで使っただけだから…。言い方が良くなかった…。ねっ?」


ひあぁぁ


類の何とも言えない爽やかな笑顔が(天使の微笑みですからね)、つくしの頬を瞬時に紅く染め、口からは妙な声が漏れ溢れ出た。

つくしは辺りをキョロキョロして、「よ、良かった~」と、一人安堵する。

「何が良かったの?」

「だってさ、類。ここのテラスの二階の部分って、いつも空いているのよ?ほら、二組のカップル以外はいないからさ。この席で良かったて思って…」

つくしはそのカップルが座るテーブルにそっと目配せする。
幸いかな、カップルはつくしたちには見向きもしていなかった。


はあぁぁ


あきらはつくしと類のやり取りを聞き、そして今のつくしの行動を見て、恐ろしい位の脱力感に襲われた。

勿論、それを見た類は笑いが止まらなくなる。


クスクスクスクス


「る、類~?!」

「だってさ…。牧野曰く、人と話した位で怒っている人間は『ケツの穴が狭い』ってことなんだろ?!ケ、ケツの…司の…ケツ…クックックックッ…」

もはや、類は笑いが止まらなくなってきていた。

「な、何?!る、類?!そんな大きい声で『ケツケツ』言わないでよ!」

大声で話した後、自分の声の大きさに気付いたつくしは真っ赤な顔になった。
そして、少し離れたテーブルに座っているカップルを恐る恐る見ているつくしに、類はますます笑いが止まらず、あきらは頭を抱えた。

「おっ?賑やかだねぇ。つくしちゃんを囲んで何の話?」

このラウンジの二階のスペースにこれまた眉目秀麗な青年が顔を出した。

F4の中でも文化人である西門総二郎は、類やあきらの二人とは違う学部に通っている。

「うん。あのね…、総二郎。司の『ケツの穴』の…話を…ね、していた…」

類は、涙声で笑いを必死で堪えて総二郎に伝える。

「マ、マジか…?」

恐れおののく総二郎。

「あぁ、マジだ。マジ。司の『ケツの穴』の話だ」

あきらも断然悪乗りし始め、笑いを堪えながら、少しばかり厳めしい顔をわざと作って総二郎に告げる。

「マ、マジなんか?つくしちゃんもやるねぇ?鉄パン脱いだと思ったら、もうそういうアブノーマルなプレイに走ってんのか?」



ガッタン!!!



つくしが物凄い勢いで立ち上がったために、椅子は無惨にも後ろにひっくり返えるように倒れた。

つくしは、もうこれ以上は紅くならないと思われるほどに顔を紅くしている。




「プ、プ、プレイは至ってノーマルしかしたことないからーーー!!」





テラス中につくしの声が響き渡った。

愛する人の誕生日の一週間前の出来事。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




PVアクセスランキング にほんブログ村