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リスペクト5

今日のこの数時間で、俺たち家族だけでなく、使用人たちでさえも、気分の起伏が激しいようだ。

あちらこちらから、『良かった』という、溜め息とも取れる、独り言のような言葉が聞こえてくる。

「「ママは?!」」
妹と弟は姉ちゃんズに素早く質問している。
(俺には、姉ちゃんが二人もいんの!)

「ママは、もうすぐ来るわよ。少し、会社で小宮さんたちとお話しているの」

小宮とは、母さんの秘書兼ボディーガードを務めている一人で、母さんがとても頼りにしている人だ。

一足早く、姉ちゃんズは帰宅したようだ。
三日の予定が二日も延びたのだから、仕方がない。
母さんは、帰って来てからだと、子供達から離れられないのを知っている。
(言いたくもないが、恐らく、親父も離れない)


「今日はお家に泊まるの?!」

妹は、子犬がしっぽを振るかの如く、一番上の姉にまとわり付いている。

「そうよね。そうしようかしら。マンションに一人で帰るのも、何だか寂しいわ。たまには家族一同、揃うのも良いことよね?」

親父はと云うと…
俺は、分かってはいるが、一応確認してみる。

すんげー、笑顔だ…

この間の、日米貿易協定で、有識者の会合があった。
その時、それなりの成果が出たようだった。
あの時に写っていた写真よりも満面の笑みだ。

「みんなでお家にいられるの?」

弟は二番目の姉に、これまた可愛い表情で質問している。

「そうよ、ママがクルーコレクションに出席するって聞いてから、週末だけ家に帰ろうかな~って、考えたんだよね~」

パリを拠点にするハイブランドの一つが、ショーを展開して、それに招待されて、一番上の姉と母さんで出席していた。
そこに飛び入りで、二番目の姉は出席したらしい。

一番上の姉は、英徳大の四年生だ。
大学進学を機に、マンションで独り暮らし。
二番目の姉は、英徳高校の三年生だが、現在は、フランスに留学中。

なので、姉ちゃんズが言うように、家族一同が揃うのは、実に久しぶりになる。

「週末と言わず、もう帰ってこい!」

親父の表情は、間違いなく本気だ。

「パパ~っ、あと、1ヶ月で帰ってくるから。ねっ?それに、パパのお陰で随分と暮らしやすくなると思うわ」

親父譲りの、ウェーブがかった長い髪を揺らして、二番目の姉は親父に笑いかけた。

「お、おう…」

何で、照れんのか、俺にはさっぱり分からん…

そう思っていると、俺の方を向いて、軽くウインクした。

ゾワっ…

嫌な予感しかしない…

「カイにね、良いものをプレゼントするね~」

二番目の姉は、そう言って、一番上の姉に何やら話しかけた。

「カイくん、楽しみにしていてくださいね」

姉ちゃんまでもが、俺にウインクしてきた。

ゾワっ

ゾワっ…

本当に嫌な予感しかしない…

自室で、ゆったり、のんびりとする俺の淡い夢は完全に消滅したようだ。。

俺も大学生になったり、留学したりして、親元を離れる事になれば、機会がある度に家族と出来るだけ一緒に過ごしたいと、思うのだろうか?

「カイ兄ちゃんだけ、ズル~い。わたしにもプレゼント欲しかった」
「お兄ちゃんだけ、プレゼントがあるの?俺には?」
子犬が飼い主にジャレるように、姉ちゃんズにまとわり付いている。

「プレゼントというか、お土産。勿論、あるわよ」
「わたしね、あそこのブランドのリュックが欲しいの。
ピンクの文字でロゴが入っているのなんだけど、ママが小学生が持つリュックじゃないって、絶対に買ってくれないんだよね~」

クスクスっ
姉ちゃんズは、でしょうねと云う顔で微笑んだ。

「ママらしいね~。確かに三十万超えは、絶対にダメって言うわね」
二番目の姉は大いに頷いた。
「だからね、わたくしが買って来たのよ。飽きたから、あげる事にした。そうなれば、ママはお下がりなら仕方ない。って、なるでしょ?」
一番上の姉は、妹に、母親の攻略法を伝授している。
「後で見て見ましょうね。凄く可愛いわよ」

弟は、俺のは何?と姉ちゃんズに、まとわり付いている。
てか、物に不自由してないのに、なんだろう?

「マカロンとチョコがあるよ。あと、ポケモンのフランス限定のDSのカセット」
姉ちゃんズたちの言葉に、妹と弟は体を弾ませ、親父は、ソファに凭れて、満面の笑み。

和やかな雰囲気に、またしても変わったけど…

で、風呂はどうすんの?

何だか、"解決済み"みたいになってるけど…

「お姉ちゃんたちとお風呂に入ろうかな~?」
「俺も!俺も!」
妹と弟の、先程までの争いや、牽制は、何だったのか?

一瞬にして解決した?

「うーん、でも、ママとも入りたいよーー!!五日ぶりだよーー!!どうしよう?!」
姉ちゃんズに訴える妹。
その言葉に、またしても揺れる弟。

明日は朝から弟の空手の稽古がはいっているから、九時迄にはお風呂に入って、体を休めるよう言われているんだと、姉たちに真剣な表情で話始めた。

「わかったわ。今お風呂に入って、ママが帰って来たら、直ぐにお風呂に来てもらおうね?」
良い案でしょ?とばかりに妹と弟に笑いかけている。
「そうすればさー、ママとも入れるし、お姉ちゃんとも入れるし、九時まではお風呂に入る約束も守れるって事だよね?!」
弟は目を輝かせて、姉ちゃんズに話をしている。

一番上の姉は、スマホを取り出した。
ラインのグループに"うちの家族"って、のがある。
母さんに今の状況を報告しているのだろう。
暫くすると、親父のスマホから着信音が流れた。
親父はスマホを取り出しラインを確認した。
その後、姉を見て、
「ありがとうな」
そう言うと、親父は何やらタップを始めた。

「ゆっくりと休めるわよ~ん」
二番目の姉がそっと俺に言ってきた。

一番上の姉は俺を見て軽く頷く。
「お疲れ様。大変だったでしょ?」

自分勝手な親子三人の難題を、数分で、しかも、ものの見事に解決した姉ちゃんズ。

何だかんだで、やっぱり敵わない。



スゲーな…




俺は直ぐに自室に戻ると、シャワーを浴びて、ベッドに横になる。


どっと疲れが出た。


今日は、学校で群衆がまとわり付いてきたし。
昨日は、俺が弟を風呂に入れたんだっけ。
結局、お風呂は俺が二回入れた。親父と妹は一回づつ。



ベットに体が吸い込まれそうになる。



意識を手放そうとした直後、部屋の扉から、コンコンとノックの音がする。

「カイ~、お休みの所ごめんね~。みんなには内緒の方がいいかな~って思ってさ」
「カイくんも年頃ですものね。気になるのね?」
姉ちゃんズが、俺の了承も無しに、部屋に入ってくる。

ゆっくりと、させるんじゃなかったのか?

「何?」
俺の言葉に、
「何か、棘があるようなんだけど?折角、良いものを持ってきたのに」




ニヤけた姉ちゃんズの顔。





何だこれ?!




傘?!!
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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