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前髪の決まり手(前編)

今日の前髪は?

家から出る前に自身の身だしなみをチェックするために鏡の前に立ってみる。

う~ん…
これで…

よし!

前髪が直ぐに決まってくれるとテンションあがるよね?

もう一度鏡を覗く。

うん!
これでオーケー。

鏡のあたしに笑いかけてみる。
『今日一日良いことがありますように』って。

最近は自分自身にお願い(?)するんだ。
う~ん、何か違うか…。
願掛けみたいなものかな…?
そうするとね。
何か良いことが起きるような気がするからさ。



「いってきます」



何時もの電車に乗り込んだ。

お正月明けの月曜日、きっと、仕事始まりの人たちが多いのかな?
少しばかりの緊張と憂鬱さが通勤の電車の中で充満している気がする。

何時もの顔見知りの人たちがいて少し安心。

英徳に一番の最寄り駅で降りる。
学校までは歩いて約15分くらい。

商業施設が立ち並んでいる横を通る。
ガラス越しのマネキンたちも新年の晴々しいさを演出している。
季節はこれから寒くなるというのに、お正月明けって、なぜだか春に向かっていくような揚々しい気分になるよね。

学校の正門前の並木通りに着いた。
そこは商業施設か立ち並ぶ大通りから右手に少し入る。
この道を利用するのはここの学園の人たちだけと言っても過言ではない。

広い整備された歩道を歩く。

高校生の頃、制服を着てこの道を歩くとちょっと気持ちがピリッとしていた。
何と云うか、戦う前みたいな感じ?

学校指定の通学カバンをしっかりと握りしめ、地に足をしっかりとつけるようにして歩いていたな。

昔を思い出して、フッと笑った。

笑った直後少しだけ視線を感じた。
ちらっと車道を見れば…。


うげっ


今一番の天敵の乗っている車があたしの横を通り過ぎていった。

スモーク張りの為、車内は見えないけど、きっとツンと澄ましているに違いない。
その顔を想像出来るから可笑しくなった。

フフッ

思わず笑ってしまった。

いかんいかん。
気持ちを引き締めていかないと。
あと、三年はあの人たちと一緒に過ごさなければならないのだから。







「おはよう。ご機嫌いかがでした?わたくしはこの冬はシンガポールでしたの。皆さんは?」
「わたくしは定番のハワイですわ」
「わたくしなんて、グアムですのよ。シンガポールはいかがでした?」
「お聞きになりたい?夜のイルミネーションといったら、最高でしたわ…」

玄関に入ろうとするなり聞こえて来るあの人の声。
(さっき、車で通りすぎた人の声よ)

未だにあたしに何かと突っ掛かってくる人。

スッゴく嫌な人なんだけどね…。

「あらま。ごきげんよう。牧野さん」

唯一、自分から率先してあいさつしてくる人なのよね…。
(嫌味全快だけどね)

誰かって?
知らない?

前髪の浅井よ。

「牧野さん、お正月は何処かへお出掛けになられました?神社かお寺が精一杯でしょうけど」

ほらね。
今年も全快だわ。

「ごきげんよう。よく分かってますこと?」

一応、あいさつはされてるしね。
ちゃんと返事を返す。
(一般常識人としてね)

「ふん。そうでしょうね。それに、安い材料で作った雑煮でも食べるのが精一杯でしょうね?」

スッゴい。
その通り。
見てたの?

牧野家のお正月は豪勢なおせち料理なんて無いから、雑煮がお正月の主たる料理なのよね。

彼女の嫌味ににっこりと微笑み返しておいた。
(当たってますよ。の意味も含めて)

彼女はあたしのその返しが余程気に入らなかったようで、キーキーと喚きはじめた。

「な、何よ?牧野つくし!何笑ってんの?!キィー!あ、あなた、わたくしの前髪ばっかり見てんじゃないわよ!!」

「そんな見ていないけど…。マッ、イイカ」

確かに今日の浅井の前髪は少しだけ分かれていて、ちょっぴり変。

あたしも少しだけ大人になったよね。
言い返して、負かしてやろうとは思わなくなったし。
ちょっと前までは、この人からの喧嘩を買っていたのに。
きっと前髪の事にも触れていたかも。



何でだろう?



喚いている浅井は無視して、身分証をかざしてその場を離れた。

「本当に、ふてぶてしい人だわ。新年早々に校門の近くでも見かけたのよ?アー、イヤ、イヤ。イヤだわーーー!!」

後ろから大声で発せられる嫌味も少し前のあたしなら、相当カチンと来て言い返しに言ってたかも。


今はスルー出来る。


何でかな?


鍛えられて嫌味に強くなったのかな?


そんなことを思いながら講堂に向かう。
向こうから女子の軍団(五名)がこちらに向かってくる。


うげぇっ


鮎原と山野も一緒にいる。
(知らない?浅井のご親友たちよ)

みんな、物凄くニコニコしている…。

こ、恐いんですけど…。

「おはようございます。牧野さん」
「新年明けましておめでとうございます」
「今年も良いことがありそうですわね」

代わる代わるあいさつをしてくる女子軍団。

"浅井の友"もひきつった笑顔であたしを迎えてる。

何だか知らないけど、早急にここを去ろう。

「おはようございます」

あたしは、少しだけ口角を上げて、先程と同様に丁寧にあいさつをする。
あいさつを終え、直ぐにその場を立ち去ろうとするあたしを一人の女子が阻止するように立ちふさがった。

このグループのリーダー的存在のようだ。

「牧野さんたら、本当に水くさいですわ…」
リーダーが先陣を切る。

「…本当に~」
「ねえっ?」
後の人もそれに続いた。

あたしを見てはニコニコするし…。

んっ?
何?

…何だか高校生の一時期、こんな風な扱いを受けたことがあるよね?


えっ?!


嘘っっ?!


まさかっ?!


見られた?!


「見たもなにも。ねぇ?」

あっちゃ~、思わず声に出してしまっていた?
慌てて両手で口を思わず塞ぐ。

「もう、牧野さんたら…」
「道明寺さんとはお遊びではないのですね?」

はあっ?
この人たちは何を言ってるのかな?

「家族ぐるみのお付き合いなんですのね?…知りませんでしたわ」
「牧野さんたら、何にも言わないんですから…」

鮎原?山野?
あんたたち、何なの?

「道明寺楓様を"お義母様"とお呼びしているですもの」

「「「「「ねぇ~っ?!」」」」」

みんなの目がスッゴいキラキラ。
いや、ギラギラしている。

波及効果で外野の人たちまでざわめき始めた。

マズイんじゃないの?

「な、なんの事~?」

思い切りしらばっくれてみる。

そのまま、その場を去ろうとするとそこに浅井が来た。


「所詮は、牧野つくしでしょ?違うの?」



浅井百合子の一言で周りが一瞬にして固まった。


そして、凄く妙な空気感が一瞬にして立ち込めた。
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コメント

Re: 〇〇様

明けましておめでとうございます(〃∇〃)
コメントありがとうございます。

カテゴリー名同様にラブラブなつかつくではないのですが、花男の世界観をえりりんなりに書きました。

共感してもらえて嬉しいです~(〃ω〃)






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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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