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願い事38

沈みゆく夕日を見ながら食事を取る。

野積の入り口にあるレストラン。
コテージ風の作りになっていて、昼の暖かい時間はオーブンテラスでの食事も取れるらしい。

このレストランを予約してくれたのは進だ。

おじさんに何処か良いとこあるって聞いたら、この場所がかなりの人気店だと教えて貰ったらしい。

何とか予約が取れたって言ってた。
(進は、最初に連絡入れた時には、土曜日と日曜日は基本的には予約は受けていなくて、来店した順に入店してくるもらっていると言われたとか)

店内でも恐らくここが一番の特等席に違いない。
だって、目の前どころか、360度の大パノラマになっている部屋での食事なのだから。

そこは店の最上階のテラスのようになっている部屋だった。

店の予約にしろ、多分、いや絶対に進の働きだけで取れたものではないよね。

そんな事ができるのはこの人しかいないでしょ?

「あえてこの部屋にしてもらったの?」

「いや、俺も驚いている」

「うそ?絶対に道明寺が何か言ったんだよ」

「斎藤に、『出来れば誰にも邪魔されないようにしてくれ』とは言ったけどな。まっ、運の強さだな」

そう言って笑ってる。

あのね、ここのテーブル。

天気の凄く良い日でしか利用できないんだって。





「カニも生牡蠣も食べたよ。はぁ~、スッゴい幸せなんだけど」

「クックッ、…だな。スゲエうっとりした顔をしてんぞ」

つくしの幸せそうな顔に司の顔も綻ぶ。

牡蠣は全国各地からそのときの旬で生食できるものが仕入れてあり、勿論、生牡蠣を頂いた。
牛肉のグリルや国産地鶏のグリルの盛り合わせもおいしく食べた。
パスタはカニを丸ごと使った贅沢なものだった。
魚介類を沢山散りばめたパエリアも頂いた。

「本当に、美味しかった…。ママとパパも今日はカニなんだよね?」

「お前の親父さんやお袋さん、弟。婆さんも今度は一緒に来るか?」

えっ?

つくしはデザートのショコラにスプーンを入れたところで手を止めて、道明寺を見た。

「いいの?」

「あぁ。来ようぜ」

つくしは司の言葉に思わず下を向いてしまった。

こんな幸せってある?
道明寺があたしの両親やおばあちゃんと一緒にまた出掛けたいって言ってくれる。


ズビッ

グスッ


あぁ、あたしの頭の中の幸せ物質か満タンになって、壊れてきたかも…。

道明寺があたしの頭に手を乗せた。

そして、軽くポンポンと叩いてくる。

「んなことで、泣くなよ…」

「ヘヘッ。だって、しょうがないよ。幸せで頭がパンクしそうなんだもん」

つくしの言葉に目を細める司。

「知ってた?日本人ってね。カニとエビを食べたときに脳内の幸せ物質がドバーって放出されるらしいの。だからかな?」

つくしは目尻を軽く押さえながら微笑む。

「本当か?」

「本当だよ~」



あぁ、本当に幸せ…。

ずっとこうして一緒にいられたらいいのに…。


明日の今頃は…




もうこの人の側にいられないんだ…。



ぐしゃ

ぐしゃぐしゃ…

「な、何するの?」

突然、司はつくしの頭を撫で回す。

「変なこと考えねぇようにな。俺様の手からパワーを入れんの」

そう言って目を細める。



だからね?

そういう事をするとね?



ポタリ

ポタリ


ほらね。

ますます涙が溢れてくるじゃない…。








「泣きながらケーキを食うって、さすがだな」

「しょうがないでしょ?この状況だとさ」

食べでもしないと泣く一方になるでしょ?

道明寺だって、そうなればきっと困る。

あの日は楽しい一日だったね。
そんな思い出を作りたい。


がんばれ!
つくし!
笑顔だよ!!


そうだ、気になっていた事があったじゃない?。

「グスッ…。あのさ、道明寺。聞いていい?」

「どうした?」

「あのね。道明寺は家のことをすっごく思っているんだなってね?ビックリしたよ」

「家のこと?はぁ?何で?」

「えっ?だって御祈祷してもらうときに家内安全、安産祈願って。お父様やお母様のことでしょ?それに、お姉様がもう少しで出産だし…」

「はぁっ?あいつらの事なんて願ってねぇよ」

「えっ?」

でも、確かにその事も御祈祷して頂いてたよね?

一気に涙が引っ込んだ。

あたしが、凄く不思議な顔をしていたのだろう。

「あ、あれはな。あれは将来お前と家族になったときに最も必要な願い事だろうが!」

そう良い放った顔は何でか得意げでしかも少し恥ずかしそうだった。


ブププブプッ


良かった~。

道明寺がお馬鹿で。



センチメンタルになりすぎてどうしようって思ってた。

こんなんじゃ、夜まで持たないって。



ホントにバカ、バカ、バカ。







ホントに大好き。


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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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