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願い事26

弥彦駅近くにある。弥彦公園。

小高い山そのものが公園として整備されていて、滝や渓流、高台やトンネルなどがあり、山の木々と美しく調和している。

ツツジや花菖蒲などがいたるところに植えられ、四季折々に美しい花たちを見ることが出来る。

秋はもみじ谷と呼ばれている渓流に沿って植えてある紅葉と、そこに掛かっている観月橋と弥彦山の配色と背景がとても綺麗で、この秋の見所の一つになっている。

小さな子供連れの家族から、シニアカップルまでの幅広い年齢層の人々が公園を散策している。

誰もがゆったりとした暖かい時を過ごしているようだ。

そしてそこにいる人々の誰もが幸せそうに笑っている。





あたしの右手は道明寺のコーチコートの中に仕舞われていて、しかもしっかりと道明寺の大きな手に包まれている。

都会で動いている時のスピードとはまるで違う。

二人でこんな風にゆったりと歩いたことなんてあったかな?

何でだろう。
いつものなら恥ずかしくて、こんな風にして道明寺と歩くことなんて出来ないのに。

太陽と青空と綺麗な秋色の木々たちのおかげかな。

紅や朱、黄に橙の色とりどりの葉が太陽の光を受けとめて、その暖かい色のパワーを降り注いでくれているみたい。

見ているだけで心と身体を温めてくれているみたい。



斜め上を見つめる。
あたしの大好きな横顔だ。

今日はずっと見ていられる。

瞼を閉じてもそこに映りこむくらいにずっと…。

「どうした?」

凄く顔を近づけて心配そうに聞いてくる。

「何でもないよ」

道明寺の顔を見て笑った。
そんなあたしに道明寺は、頬を優しく触れて微笑んで返してくれた。






「まぁず、見てるこっちが恥ずかしいてば」

「すみません、おばあちゃん。大目に見てあげて下さいな。道明寺さんは多分、明日、明後日にはアメリカにまた帰るんですよ。きっと」

少し前を歩く牧野家の人々は、千恵子の言葉を受けて二人の様子を微笑ましくも、少し切ない眼差しで見つめた。

「日本に暫くいらんねぇのか?」

「今年はもう帰ってこれないって。こんなに長く休めるのは久しぶりだってさ。昨日の夜に話してくれたんだ」
進が千恵子に代わって答える。

「つくしはそれを知っているんだろっか?」

「ばあちゃん、きっとつくしは知っているて。時折、涙を拭くような仕草をするもん。間違いないて」
晴男は新潟弁で、母である澄えに自信たっぷりな表情でそう告げた。

「本当らか?」
澄えは、わざと訝しげに晴男を見る。

「そうよね。パパが言うとなんか信用性に欠けるわね」
「わかるよそれ」

千恵子と進も賛成し、少ししんみりとした空気を振り払うように大いに笑った。







あたしは今、スッゴく幸せ。
きっと顔もニコニコしているに違いないの。

だってさ、隣には大好きな人。
しかもあたしに合わせて歩いてくれてる。
(歩幅が違うのに、あたしが慌てなくても良いの)

少し離れた所にあたしの家族がこれまた楽しそうに歩いているだよ。
家族でこんな穏やかな時を過ごす事が出来るなんて、数年前は考えもしなかった。
(あの頃はいつも、時間とお金に追われていたもんね)


「楽しいか?」

「うん。ありがとう。道明寺」

「何で、お礼?」

「みんなを連れて来てくれたお礼よ。ありがとう」

素直にお礼を言ったのよ。
なのに、「やめろ。素直過ぎて恐ぇからよ」なんて言うものだから、いつものように、脇腹を小突いてやった。

そうでもしないと、いろいろ嬉しすぎて、泣きそうだから。

「痛てぇ~、お前なぁ、また落ちたらどうすんだ?」

あたしはその言葉に少し舌を出して、顔をプイと横に向ける。

今、歩いているところは池のほとり。
確かに落ちたら、今朝の二の舞だけどね。

痛いなんて言葉では言っているけど、絶対に痛いことなんてない。
ほんのちょっと押しただけだもん。

チラッと道明寺をみる。

道明寺が少しだけ、口角を上げあたし見る。

あたしはちょっとだけ、頬を膨らませてそっぽを向くと、道明寺はさらにあたしを引き寄せた。




クンクン
クンクン


何だかいい匂い。
お醤油を、煮詰めたいい匂い。


…どこからだろ?


思わず、匂いに釣られてそちらに足が向いた。

「おい、どこ行く?」

「今、いい匂いがしてきたでしょ?」

匂いの方向に向かって歩きだす。

「お、おい?!」

「ちょっと見て来るね」

繋いでいた手をやんわりほどき、匂いに向かって小走りに走る。

小さな木屋の中では蒟蒻がグツグツと大きな鍋の中で煮られていた。


うわぉ



「マジか?俺のぬくもりより、蒟蒻かよ…」

「えっ?何か言った?」

「牧野お前な…。蒟蒻が大量に入っている鍋を、物凄いキラキラした目で見つめているぞ」




やっぱり花より団子。



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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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