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願い事21

パシッ

パシッ

ハイッ

ホイッ

畳の上にある美味しそうなお菓子(一つ一つで綺麗に単包されているもの)が、目にも止まらぬ早さで奪い取られていく。

「道明寺、あんたやる気あんの?」

つくしは有名菓子店処のマドレーヌの菓子を手に取りながら、隣にいる司に声をかける。

「あぁ?やる気って…、お前なぁ…」

司の覇気のない返事に従兄妹たちが挙って司に質問を浴びせる。

「司にいちゃんって、見た目によらず、もしかして…」

「もしかして何だ?牧野の従兄妹の男子」

「見た目は運動神経が良さそうなんだけどさ…」

「良さそうじゃなくて、良いんだよ」

「うっそ~?!司にいちゃん、さっきから一個も取ってないじゃん」

「うそじゃねぇ。牧野の従兄妹の女子」

二人のキツイ指摘にも関わらず、ニコニコ顔の司。

そりゃそうだよね。

"司おにいちゃん"だもんね。

また、従兄妹たちはすんなりとそう呼んだのよね。
(つくしおねえちゃんの彼氏だからだってさ。道明寺は相変わらずというか、人の名前を覚えないからね…)

「ハハッ、しょうがないよね。全敗だもん。道明寺…。一つあげようか?ププッ」
「お兄…お兄…。ふはぉ~…、道明寺さん、何も無いのは可哀想に見えます…」

「おい、弟。どもってんじゃねぇよ…」

牧野の姉弟からの思いもしない施しと慈悲を受けても、勿論のこどく笑っている。
しかも物凄~く照れている。

「素早さが必要なんだよ?これ?」
従兄妹たちが勝つための指南を始めた。

「みんなに気付かれないように、欲しいものをそっと取るんだからね」

「なるほどな…」

「そうそう、聞いて。それと、絶対に欲しいと思う強い心がいるのよね」

「ほう…。いろんな事に通じてんだな…」






「こうやって見ると道明寺さんも普通の若者なんだね…」

「そうなんだな…」

子供達の笑い声を聞き、その姿を見ながら、貰った手土産を整理している篤男と陽子。

自分たちの家に持ち帰るものを選別して、運搬車にまた搬入するためだ。
(冷蔵庫とテレビはすでに積み込んでもらった)

若人たちはその間にトランプゲームをしているのだ。

名付けて『欲しいものは早い者勝ちだゲーム』。

では、ルールを説明しよう。

5人で行っているから、Aから5までのトランプ20枚を使って、4枚づつ配る。
持ち札の数字を合わせていくゲームだ。
ここで必要なのは、どの数字を合わせて集めていくかが決め手。
いらない札はかけ声と共に、札を裏にして、隣の人に回していく。
札が揃った人から、賞品をゲットするという運とゲットしようとする執念がものを云うゲームだ。
(賞品は一人分少なくしてある。ビリはなし)

今回の賞品はと云うと、司が手土産に持ってきた洋菓子店の折り箱からのクッキーや焼き菓子。
(牧野一族は豪華賞品だと大興奮大白熱。お菓子を取る様は百人一首の大会のよう)

「よし、もうひと勝負するよ」

つくしがそう声をかけると、みんなが食べたいお菓子を箱の中から選んで中央に出した。

「道明寺の食べたいのは?」

つくしの言葉に司はニヤリと笑った。

「菓子なら、お前が適当に選んでおけよ」






キャー

ウァー

まさに黄色い声が家の中に響く。

「幹斗、心陽!夜だぞ!何だ?その声…」
篤男は息子の幹斗(みきと)と娘の心陽(こはる)に声のトーンを落として注意した。

そして、その声が上がった方向を見た篤男は思わず「マジか…」と声に出していた。

それも、そのはず。
目の前で姪っ子のつくしが司に抱きしめられているのだから。


「ば、馬鹿なの?!な、何してんの?」

「そもそも、甘ぇ菓子とか好きじゃねぇし。俺が欲しいのはお前だけだし。だからな。良いだろ?牧野の従兄妹たち?」

つくしの肩を抱いて不敵な笑いを浮かべ、従兄妹たちに勝利宣言している司。

その様子は非常に自信に満ち溢れ、もはや誰もノーと言えない。
神々しいとまで思わせるその態度。

その様子を見て、顔が思わず紅くなる篤男と陽子。
その二人に千恵子が声をかけた。

「彼ね。あんなだけど、凄く純粋なとろかあるのよ?」









「明日の予定なんだけどね?」

パパが皆の前で明日のプランを発表する。

「ひとまず、当初の目的は達成出来たから、弥彦神社はどうかなと思って?」

「兄ちゃん、良いんじゃねぇか。明日、天気になるみてぇだしな?それにあの神社は石油採掘の神として崇められてるしな」

「あぉ~、そうらったね?!石油の採掘時には必ず弥彦の神社を参ってから、採掘したらしいからね。確か、それから事業を始める人は参拝してご利益を得ようとするって聞いたことがあったね!」

そうだったの?

叔父さんと叔母さんを見ると、ウンウンと頷いている!

「そうなの?うってつけじゃないの?!道明寺も石油関連事業を開始させたばかりだし。良いかもね?ねっ?道明寺」

「デートがてら行ってもいいかもな。だがな、基本的に俺は神なんざ信じてねぇ。何事も己の度量と努力の問題だ」

「全く…、素直にご祈祷しようか。ってなんないわけ?」

「ならねぇな」

あたしは盛大なため息をついた。
おばあちゃんが、そんなあたしと道明寺を見て意味深な発言をし始める。

「そんなら大丈夫らな?カップルで行くとその後のカップルは別れるとか何とか?そんがこと言われていねかったかや?」

「おお、そうら!カップルは別れさせるって
伝説があるわ」

「知ってる!」
「聞いたことあるかも!」
「あの神社、そんな伝説があるの?スゲー…」

おばあちゃんと叔父さんの話しに従兄妹と進がからむ。
道明寺の表情が案の定(?)みるみると変わっていく。

「あっちゃんもおばあちゃんも悪ふざけして…」
叔母さんはクスリと笑って付け加えた。
「迷信だからね。スッゴい迷信。大丈夫ですよ、道明寺さん。ただの迷信」

「道明寺さん、大丈夫。迷信よ迷信。パパと結婚前も行ったけど、苦難を乗り越えて未だに別れてないでしょ?」

ドヤ顔で話すママと頬を染めるパパ。

「そうそう。叔父さんと叔母さんなんて、毎年家族でお参りしてても仲が良いの。って、あっちゃんたら、笑ってないでよ…」

叔父さんを、軽く睨んで笑っている叔母さん。

「ねっ?言った通りでしょ?純粋な心も持ってんのよ?」
ママは、叔母さんと叔父さんにそう話しかけていて、二人とも笑いながら頷いている。


一体、何のこと?


「弥彦様の力を甘くみんなね?」

おばあちゃんがまた道明寺にけしかけると、叔父さんと叔母さんはあたしを見て微笑んでいる。


あぁ…



ったく、うちの家族ときたら…。



「明日は弥彦神社に行ってお参りね。道明寺、わかった?」

土色の表情の道明寺に向かって伝える。

「おいおい…。何だか不吉な伝説があるんじゃねぇか?違う所に行った方が良いんじゃねぇか?」

「あんた、基本的に神様は信じないんでしょ?」

「そうなんだけどよ…。行って大丈夫なんか?俺たちの事を別れさせる力が働いたらどうする?」





土色になっている道明寺に向かって言い放つ。





己の度量と努力の問題なんでしょ?!
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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