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願い事20

「ベッドはどちらに運びましょうか?」

引っ越し専門の運搬の人?
それにしては随分と動きがエレガント。

道明寺に対して、丁寧にお辞儀をしてから作業に当たっている。

ホテルマンみたい…。

「ホテルマンじゃねぇけどな…。そのベッドは牧野の婆さんの部屋に運んでくれ」

あまりの思いがけない出来事に、知らず知らずに声に出していたみたい…。

そう言われたホテルマン?、それとも運送業者の人?はおばあちゃんに部屋を確認している。

おばあちゃんは何が何だか分からないと言った表情。
考える力も失っているのか、聞かれたままに部屋を教えている。

この状況…。

パパが会社に勤めていたときに住んでいたマンションで見たことあるよね?

またもやデジャブが…。

唖然としているあたしの横にはいつの間にか進がいた。

あたしと同じように思っていたみたいで、
「デジャブってこうゆう事を云うのかな…?」
目の前でいそいそと布団やら毛布を運び込む人たちを目で追いながら呟いていた。

多分、進も自分で声に出しているなんて思ってなかったみたい。

「あたしもそう思ったよ」

そう進に向かって話をしたら、
「…心の声が聞こえるの?姉ちゃん…」
なんて、すっとんきょうな事を言っている。

叔父さんはまだ口があんぐりと開いている。
叔母さんはその叔父さんの腕にしがみついて、青ざめている。

おばあちゃんは、何でかお経らしきものを唱えて、手を合わせている。
(自分の範疇を越えたことが起きているから悪霊退散的な?)

それもそうだよ…。

家の中にベッドと布団一式が全部で10客分。それと、マッサージチェア。

大きなテレビと冷蔵庫も搬入されそうだもの。
(しかも、何台かあるよ?!!)

それと、段ボールが幾つも。



「お父さ~ん、お母さ~~ん、見てよ!これ!!欲しかったバック!」

「すっげー!フットサル用のシューズとボールじゃん?!」



居間から聞こえる従兄妹たちの声で我にかえった。
(ホテルマン?さんたちが、綺麗に包装を解いて、従兄弟たちに渡しているらしい)

「ど、道明寺?!何よこれ?!」

「だから、手土産って言ってるだろ?泊まりに行くなら特に厳選して、相手が喜ぶようなものを送るようにって、タマが教えてくれた」

あたしの質問の意味が分かってないらしい。

道明寺だから仕方ないのか?


あぁ…

ダメだこりゃ…。


手土産の範囲を越えているのがこの人には分かんないか?

持ってこようと思うだけでも凄いのか?

恐る恐る道明寺を見る。

何でか、ドヤ顔になっている…。

ホテルマンかと思った人は道明寺グループの運搬者だった。
(全国のメイプルホテル等に使用する物などの運搬を主に担っている)

制服をよく見れば左の腕の位置にD.H.Carrier(運搬者)と金色で書かれた刺繍入りのユニフォームを着ている。

「手土産って、手で持てる範囲の土産の事を云うのよ…。まぁ、皆さん手で持っているけど?」

「そうなんか?」

「いや、何となくそうかなと…」

あたしの言葉に片眉を器用に上げ、
「お前なぁ、適当な事を…」
と、ダメ出しをされる。

何で?

あたしが?

「いいか?夕食の時に牧野の叔父さんと叔母さんが話していただろ?」

あたしに向かってニヤリと笑って答え、その振り向き様に、冷蔵庫を持ち出そうとしているキャリーさんには当然の如く厳しい視線を投げ掛けた。

「おい。何をしている?その電化製品はここで下ろさなくても良いものだろ?」

「司様、商品を確認して頂こうかと思いまして」

「そうか。いい判断だ」

道明寺の言葉にスッと頭を下げたキャリーさん。
叔父さんと叔母さんに真っ直ぐに向かっていった。


あぁ、話していたね…。

叔父さんはリビングにしかテレビを置いてないから子供とチャンネル戦争になっているとか。

『子供はドラマか何かを見たがっているけど、俺はスポーツ中継を見たい訳。ドラマは録画出来るだろ?ってさ。まぁ、俺が折れているけどね』

叔母さんは冷凍室が大半を占める冷蔵庫があるといいのよね。そう言っていた。

『普通の冷蔵庫は冷凍室が3分の1でしょ?おばあちゃんの作った野菜を冷凍でストックするには限界があるのよ?冷凍室だけのが欲しいのよね~』

てさ。

「道明寺、まさか…?夕食の時の話しを聞いて?」

「仕事が早くてビックリしたか?」

だから、何でドヤ顔な訳?

そう思ったら、スッと真顔になった。

「牧野の叔父さんと叔母さんがここに来るのを知らなかった。今一番に欲しいけど、買えない物って話していただろ?」

そう言い終わり、あたしの方を見たときの顔は、少し自信がないように見えた。

居間では大量の従兄妹たちの丁度着れそうな服の山。
結構な枚数に加え、全部お高目に見える。
(お姉さんが道明寺から聞いてから選んでくれたらしい)

そして、黒毛和牛の肉のセットだの、地鶏のセットだの、有名料理店御用達のドレッシングセット。
(等々。凄く沢山)
有名菓子店の詰め合わせセットにチョコレートのセット。
(何箱あるのよ?)
のりなどの乾物のセットもある。

どれも箱が大きい!!
そして、数が多い!!

でも、何で従兄妹たちの服が?

「道明寺、叔父さんと叔母さんがここに来るのを知らなかったんでしょ?何で二人の服とかがあるのよ?」

「それはだな…?」

「わたしだよ。道明寺さんから電話があってね。たまたまつくしがいない時だった。ばあちゃんの家に行った次いでに弟にも会いたいと話をしたんだ…」

「わたしもね。甥っ子と姪っ子がいるから久しぶりに会えたら嬉しいって、電話口で言っちゃったのよ…」

パパとママは申し訳無さそうに話をしてくれた。

「道明寺…。その事を聞いてお姉さんに選んで貰ったりしてくれたの?」

「会うときは手土産がいるんだろ?」


…あぁ、もう!


あたしは、まだ呆然としている叔父さんと叔母さん、そして手を合わせているおばあちゃんに話しかける。

「こんな人なの!本当に常識が普通じゃないの!ゴメン!それでも彼がいいのよ!」

あたしの言葉に3人は顔を見合せる。

「お義母さん、篤男さん、陽子さん。つくしも将来について腹を括ってここに来たんです。どうかお願いします」

ママが3人に頭を下げている。

続けてパパも。





「返却は認められんのかい?」

「それは…、無理だな…」



道明寺の少しだけ切羽詰まった物言いが、なぜかその場のみんなを和ませた。
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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