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願い事17

「お母さん、お母さん…、ちょと、ちょと…」

従兄弟は興奮した様子で、叔母さんにこっそりと問いただそうとしている。
(口元を手で隠してこっちを見ているけど、興奮していて、質問が丸聞こえなんですけど…)

「お母さん…。もしかして、もしかして、もしかしたらだよ!つくしねえちゃんの彼氏って、何年か前に…。同じ道明寺なのかな?ほら、港で刺されたのがテレビで流れて…。それで、大騒ぎしたのに、次の日には報道されなくなった…。あの人ら?!」

「そうらて。声がばか大きいて…」

叔母さんは紅い顔であたしと道明寺をチラっと見て、また目を反らした。

二人の会話を聞いて従姉妹も何かを思い出したのか、
「ええっーーーー!!うっそーーー!!あの、彼女を絶対に離しませんから~宣言をした人ら~?!マジ…。ウソ?」

「おう。その宣言した男だ」
その言葉を受けて、道明寺は不敵な笑みを湛えて従兄妹たちを見た。

「マジ?」
「ヤバッ?!」

興奮して手を取り合っている従兄妹たち。

「えっ?!じゃあ、このヒットマンみたいな人たちって…、友達じゃなくて…」

「SPだ」

道明寺の言葉を受けて、従兄妹たちはまた、手を取り合う。

「マジかー?!!」
「テレビ以外で初めて見たけど?!!」

「馬鹿っ、二人とも声が、ばかデカイて!スミマセン…。友達でも誰でも、人にペラペラしゃべってんなね?」
叔母さんはSPの面々に頭をペコペコ下げた後、従兄妹たちに言い聞かせている。

「おぉ、そうらろ。人にペラペラ喋んなよ。たかって(集まって)こらったても困るんだってけ」
「そうらてば、おらだって近所のもんに、只のつくしの友達らったって、言っているんだっけな」
叔父さんとおばあちゃんも話に加わった。

従兄妹は二人とも神妙な顔になって、
「言わねぇよ。なぁ?」
「てか、言えないよ。ねぇ?」
「何か恐ぇもん…」
「分かる…」

二人とも頷き合っている。

道明寺はみんなの会話を黙って聞いている。

その後であたしの方を見て笑いながら話した。
「何かいろいろ府に落ちたわ。ここに来れて良かった。ありがとうな」

「…道明寺。ウン」

あたしも嬉しくて叔父さんと叔母さん、そして従兄妹たちに想いを伝えた。
「ここに帰って来れて良かった。ありがとう。ありがとう…。これからは、ちょくちょく里帰りしてもいいかな?」

ウンウン

叔父さんも叔母さんも笑って頷いてくれる。

パパとママはあたしの言葉を聞いて、盛大に泣きながら叔父さんと叔母さんに頭を下げていた。

その後、道明寺は自分から叔父さんにお酒を注いでくれて、叔父さんは泣きながら、大喜びしていた。



「ここの海老フライは、ばか美味しいんだて。つくしの大事な人が来ているって聞いたから、ばか奮発したこてねーーー!!」

「ば、ばか?ばかふん?」
道明寺の戸惑いはお構い無しに会話は続く。

「いつもはスーパーの半額商品だもんね?」

「馬鹿たれ~。たま~に、ばか美味しいのを食べるっけに、ありがたみってのが増すんだこて~」

「そうよ。たま~にだから、ばか美味しいの」

従姉妹がいつもの食卓用の事情を思わず暴露して、そのことについてを叔父さんと叔母さんが完璧な補足を入れた。

「お母さん、刺身も食べていい?」
従兄弟がこっそりと叔母さんに尋ねてる。

叔母さんが少しだけ返事をするのを躊躇った。

あたしもまだまだ気が利かないな…。

叔母さんの代わりにあたしが答えた。

「いいよ。食べて、食べて。道明寺はお昼にラーメンも食べたし、そんなに大食いじゃないから。ねっ?良いでしょ?」

道明寺を見ると、
「当たり前だ。食べろよ」
そう言って笑ってくれてる。

「育ち盛りだよ~。残さず食べようね!」
あたしの言葉に、
「えっ?!良いの?」

従兄妹たちの顔がまた一段と明るくなった。

「おぉ、そうらてば。おめぇたちもいっぱい食べてけよ。ばあちゃんはこんが時のために(お金を)貯めているんだっけ」
おばあちゃんも従兄妹たちに進めている。

「やった~」
「絶対に旨いもんな?」
「お刺身、久し振り~」

従兄妹たちは目を輝かせて刺身に手を伸ばした




「道明寺さん、塩辛って食べれます?」

パパが道明寺にお酒を注ぎながら尋ねた。

「はい。料亭等で食べたことがありますね」

「そうかね。これは、ばあさんが作ったのなんだ。これが大好きでね。良かったら食べてみてくれ」

イカの塩辛はあたしたちが新潟に来ると伝えたらおばあちゃんが作ってくれていた。
イカの肝に塩を加えて、刺身にしたイカをそのままその肝と和えて寝かせるんだって。

「もしかして…、これが塩辛の本来の味なんかな?素朴だが、旨いな…」
道明寺は一口食べてそう呟く。

「美味しいかね?晴男が来るって聞いたっけ、ばか活きの良いイカで造ったこてね」

「ば、ばかいき?のイカ?」

「松茸ご飯もあるろ?いっぺぇ食えよ」
おばあちゃんはニコニコ話している。
(道明寺の言葉はスルーしている)

松茸は近所の人で青果市場で働いている人が持ってきてくれたんだとか。
お返しに家にある枝豆と柿で交換したらしい。

「枝豆って、初夏の食べ物だろ?」
司がボソッとつくしに言った。

つくしはそんな道明寺を見てニコニコしながら、枝豆に手を伸ばす。

「あっ?!うん?!美味しい〰️」

「そうらろ?これが最後らてば。ここらはずっと作ってるけの。口に合うか分からんろも、ばかいっぺあるっけ、食ってくれね」

「また、ばか…?」
道明寺の反応を完全にスルーするおばあちゃん。

「食ってみてくれね」

おばあちゃんの言葉を受けて、頂きますと言って、枝豆を口に入れる。
片手でさやを潰し、片方の手で口元を押さえる。

道明寺は枝豆の食べ方も何か綺麗。

だけども男らしさもある。
(何でだろ?)

そして、ただただセクシー。

「すげぇな…、甘味があって旨いわ…」
もうひとつ手を延ばして枝豆を取った。

おばあちゃんはとっても嬉しそう。


食事も終盤を迎えようとしている。
お皿を食べていた座敷から少しずつ引き上げ始める。

ママと叔母さんがお皿を洗い始めた。

運びながら、おばあちゃんに気になることを尋ねた。

「おばあちゃん、カボチャなんどけど、何で煮物にしなかったの?」

「ああっ?これか?何だか知らねーけど、スーパーに行ったら、やたらカボチャの絵が書いてあるお菓子とか、カボチャが飾ってあっけな」

「あはは。そっか」

「何があんだろって聞いたら、店員さんが何言うたや?」
おばあちゃんが考え込む。

「ハロウィーン?」
進が答えた。

「それそれ。だっけ、外国の食べもんにするのにマヨネーズでサラダにしたんだてば。ダメらったかや?」

「ううん、全然。美味しかったよ」

おばあちゃんはまた喜んでくれた。


お皿を運んでいると、道明寺が居間の扉を開けて、こちらを見る。
背が高いので、縁に手を乗せ、少しだけ屈んでいる。

「牧野…。そろそろ本題を始めねぇか?」

「うん?側にいてくれる?」

「当たり前だろう」

「ヨカッタ…。みんなに聞いてもらいたいの」



つくしは道明寺の隣にちょこんと座り緊張した面持ちでいる。

「ばか緊張してきた」

プッ

「おまえまで。ばかばか言うなよな」

「使い方間違ってないよね?」

「知らねぇけど」

二人で顔を見合せ、笑った。



ここに来た一番の目的をいざ始めようか



*標準語訳*
新潟弁では、"凄く"とか"本当に"などの形容詞を"ばか"にして付ける事が多い

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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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