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願い事16

新潟のお刺身は割と大きめに切り分けられている。

日本海に近いだけあって新鮮なのよ。
弥彦山を降った先は日本海だもんね。

「このお刺身って、いつもおばあちゃんが頼んでくれている所のお刺身?」

「おぉ、そうらてば!よぅ、覚えていてくれたの~?」

こどもの時におばあちゃんの家に来ると、必ず仕出し屋さんに注文してくれていたの。

そして、焼き鮭も。
幅が5センチほどの大きさで切り分けられていて、蒸し焼きにされている。
(生の鮭を焼いているから、少しお醤油を垂らして食べると堪らないの!)

道明寺も凄く美味しいと太鼓判を押していた。

ここの茶碗蒸しも、大好き。
田舎風なのか、具材が沢山入っていて少し甘めなんだ。

そして、のっぺ。

「これか?お前が作ったのは?」

「うん。さっきおばあちゃんとママの3人で作ったの。どう?」

「…旨いな」

お野菜の一つ一つを丁寧に箸で挟んで口に運んでいる。

ほぉ~~

へぇ~~

はぁ~~

道明寺が箸を口に運ぶ度に出る牧野一族の溜め息。
(叔母さんと従姉妹は目がキラキラしている)

道明寺が箸を進める度におばあちゃんは嬉しそうにしている。

「道明寺さんはおめぇ達と、ちご~て食べ方が綺麗らのぉ。そんでらか、つくしも何でやら、いとしげに食べんねっか?」

おばあちゃんは食べ物を汚く食べる人は大嫌い。

その点は道明寺は問題ない。
所作はどうしたって綺麗で卒がない。

てか、美しすぎて見とれる。

あたしたちは美味しそうに食べるのよ。

おばあちゃんはのっぺをズルズルと啜って食べているあたしたちに少しばかり皮肉を込めて笑いながら言った。

「そんだって、のっぺは、ほぼ飲み物らねっかね?なぁ?」
叔父さんが弁明する。

「まぁ、そうらろもさ~~」

おばあちゃんはそう言いながら、小鉢にを手に取って里芋と汁を飲み干した。


ちょっぴり、レシピを公開するね。


里芋、人参、大根を長細く切る。
(全部おばあちゃんが作った野菜!)
こんにゃく、竹輪、蒲鉾、干し椎茸も同様に細長く切って、銀杏にえのき茸やなめこ等を加える。
(だから、ズルズルってなっちゃうの)

出汁が出るように干し貝柱や海老などを加える。
(家によっては入れない材料もあるし、他の材料を入れている家もあるかも)

味付けは、鰹出汁を多目にしてうっすらと醤油の色をつける。砂糖と塩で調整するよ。

炊き上げる時のお水はヒタヒタ位。

それと、これがポイントなんだけどね。
イクラを入れるの!
おばあちゃんたちは"トトマメ"って言っている。

「ずるっと口に入れるといろんな味が一度にに味わえるからね。箸で掴みにくいのは、ズルッといくと美味しいんだよ」
パパが道明寺にレクチャーしている。

叔父さんは新潟の地酒も持って来ていた。

日本海と新潟平野を一望する越後の名峰、弥彦山。
弥彦山の伏流水で作られたお酒だ。

道明寺は、日本酒だけどフルーティーな酸味と甘味感じられると言って飲んでいる。

「道明寺さん、食べたこともねぇのがあるかもしんねぇけども、少しでも、箸を付けてみてくれねぇけ?」

そう言って、叔父さんは道明寺の持つグラスに酒を注いだ。

「これは食べたことがないですね…」

道明寺は小鉢を手に取る。

菊を使った和え物だ。
"かきのもと"という食用菊で、新潟県民は結構好きみたい。

濃い紅紫の綺麗な花びら。
輪を残して花びらを摘み、酢を入れたお湯に30秒ほどさっと茹でるとこの色彩を維持して綺麗に茹で揚がるのよ。
(って、今日おばあちゃんから教わったんどけどね)

この花を見たときに、あっ、懐かしい~って思った。

今日はわかめときゅうりをカラシと出汁醤油で和えている。

キュウリはね、おばあちゃんが作ったのなんだよ!
ビニールをかけてプランターで育てているんだって。
そうすると秋口でもサラダにするくらいは採れるんだってさ。

「しゃきしゃきしているな…。この味付け…、口にしたことがあるような…?」

道明寺は食べながら、記憶を呼び起こそうとしている。

一口食べては、考えている道明寺。

「はぁ~~、道明寺さん。カッコいいし、スタイルいいし、頭もいいし、舌もいいんだね~~?はぁ~~」

ママが溜め息を吐きながら、刺身を頬張った。

「道明寺さん、姉ちゃんが作った食べ物を結構食べてんだね?」

そう言って、のっぺを啜る進。

「もしかして…」
そう言って、菊を口に運びながら、あたしの方を見た。

「そ、そうだよ!家に置いてある出汁醤油はおばあちゃんが送ってくれてるのを使っていた…。って、あんたよく分かったわね?」

「あぁ、お前が作ってくれた食べ物は俺の脳にちゃんとインプットさせているからな。記憶を亡くしてもこの味を忘れねぇように叩き込んでおかねぇと…だろ?」

「ど、道明寺…。ば、馬鹿!新潟県民は結構使っているらしいからね?あたしが作ったかどうかわかんなくなるよ…」

「俺は判んの」
道明寺は、あたしの顔を見て口角をあげる。

「そ、そう…」
恥ずかしくて目の前にあるグラスを思わず持ち上げた。

「おい、これは酒だろうが?」

グラスを持つあたしの手を道明寺が掴んだ。

「一気に飲んで大変な目に合ったらどうする?」

「ご、ごめん…」

道明寺の顔を見たら怒ってはいなくて優しく笑ってた。

至近距離で目と目を合わせて、手を取り合っているこの状況。


と、前を見ると…


ひゃぁぁぁぁ

うわぁぁぁぁ

恥ずかしい…

恥ずかし過ぎる…

パパと叔父さんはあえて、目線を下にしている。
下座の方を見てみると、紅い顔をして口元に手を当てている叔母さんと従姉妹。

み、みんなに見られてる…。



「あぁーーーー!!」




従兄弟がこちらを見て指差した。


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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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