FC2ブログ

記事一覧

願い事12

「あっ、そこを右に…。そうです。ちょっと細いですけど。…すまんねぇ」
「いえ、大丈夫です」

チラッと隣を見て、そう返事を返すモデル風超絶イケメン男。

ふほぉ~

その超絶イケメンモデル男の斜め横の顔を間近で見て、晴男は思わずため息が出た。

「運転している姿をこんな隣で見れるなんて…」
乙女のような感想を思わず漏らし、頬を紅らめる晴男。

ふはぁ~~

思わず変な声を発する晴男。

「…あ、ありがとうございます…」
隣から聞こえるため息(?)に、顔をひきつらせながらお礼(?)の言葉を口にする司。

ちらりと横を見ると、先程の進と同じような表情になっていると思われ、恐ろしくて確認出来ない。
(つくしの顔を見るたびに、進と親父さんの顔が出てくることになったら、ヤバいだろうが!)

「いっつもおばあちゃんの家から歩いてくるから、車で入る道なんてパパしか知らないもんね。道明寺はびっくりするでしょ?お墓が家の敷地内にあるなんてさ」
後部座席からつくしがニコニコして司に声を掛ける。

晴男の方を見ないようにして、愛するつくしに神経を集中させる。

「あぁ、そうだな。墓を先に参ってからと言ってたからな。てっきり寺に行くと思ってたわ」
司は素直な感想を話し、バックミラー越しにつくしと目を合わせる。

「無理を言ってすまないね。こんな村道を走らせて」

晴男が言うように、今走っている道は、地元の住人たちしか利用しないような細い道だ。

「それに加えて、警護車より先に走らせてしまって…」
隣の助手席に座っている晴男は運転している司に頭を下げた。

主要道路から外れて、村道を走り始めるところで、警護車両より先に牧野家と道明寺御一行の車が最前列で走る形となった。

その時に、晴男がナビをするために、つくしと晴男は席を交代したのだ。

「親父さん、気にしないで下さい。もうすぐですか?」

「もう少しだよ。家の敷地って云うか、一族の共同の墓地でね。田舎はまだこういう形のお墓があるんだよ」

車はゆっくりと細い道を進んだ。

「あっ、ここで車を停めることにしようか。これ以上進むと帰りが大変だよ。ここから先は行き止まりだからね」

少し小高い丘の中腹にある墓地。
墓地の後ろには木々が覆っている。

今年は気候の関係なのか、季節外れの薄いピンク色の花がみどりの葉が覆っている枝の間の所々に咲いていた。
春にはこの辺りの丘一面が桜色に染まるのだ。







「道明寺は車で待ってても良かったのに…」
「来ちゃダメなんか?」
「ううん…。」

普通なら、人の家のお墓に来てもする事ないでしょ?

それなのに、お墓を参るって事はだよ?
あたしの先祖様にお会いするって事だよね?

どういう事か、道明寺はわかっているのかな?


司がお墓を一緒に参ってくれている間にそんなことを考えた。

だから、
「お前の先祖にいろいろと報告してた」
そう司に真っ直ぐな表情で告げられて、つくしはドキドキが止まらなかった。

思わず、司に問いただしていた。
「へぇっ…?な、何て?」

つくしの問に司が真剣な顔を作る。

ちょっとだけ不安そうな顔をするつくしに、司は少しだけ口角を上げて、つくしを見て微笑んだ。

司の真剣な目につくしの気持ちが高まる。

「気になるか?」

「そんな事ないけど…。ウウン…少しだけ…」

「俺にとって一番大事なこと。俺の決意と今後の事を伝えさせてもらった」

そう言うと、しっかりと目を合わせて見つめ合った。

言葉は少ないが、お互いに思っていることは通じていた。


道明寺…

…来てくれて
ありがとうね

牧野…

…ありがとな


つくしが司のジャケットの裾を軽く引っ張り、司を見上げる。

清々しい秋風が二人の中に流れ込む。

二人はお互いに相手を見て微笑んだ。




ゴホホンッ

んんぅっ
ゴホン

んっあっ
んっうん

わざとらしい咳払いが二人だけの世界を作り出すことを禁止した。

「あ、あの~?お取り込み中にすみません。
僕たち歩いておばあちゃんの家に行くんで」
進が笑って手を振っている。

「お二人はゆっくりとで良いからね~?」
そう伝えてくるママ。

パパは、わざとらしく目を隠しているし!!

SPさんの二人は裏手を確認させて頂きたいと言って、パパたちに付いて行った。


つくしは、改めてこの場所が何処なのかを確認する。


そ、そう…
そうですよ!

ここはご先祖様のお墓の前だよ…

こんな場所でトキメキを感じていいの?

あたしったらどんだけ熱に浮かされているんだろ?

や、やだ…

道明寺を改めて見る…

つくしは、司のコーチジャケットの裾を掴みながら、上目遣いで知らず知らずに司を見上げていた。

このシチュエーションで、つくしを抱きしめられない司は、硬直したまま手だけを開いたり、握ったりしている。

「牧野、お前…。顔が真っ赤だぞ。赤面が移る…」

「あ、アンタこそ、真っ赤だよ…」

二人の紅くなった頬を秋風が撫でるように吹き抜けた。







いつものように道明寺が助手席のドアを開けて、あたしをエスコートしてくれる。
(道明寺はあたしにドアを開けさせないんだ。
本当にスマートで、流れるようにエスコートするのよ)

「本当にありがとう」

全部が嬉しくて、嬉しくて、"本当に"という言葉が自然に乗せられた。

いつもは「ありがとう」だけだった気がする。

そして、次の行動もなぜだか"本当に"自然と行ってしまった。

車のドアに手を掛けて少しだけ身体を屈めている道明寺。

あたしは咄嗟に道明寺に手を伸ばす。

チュッ

軽く唇に触れるだけのキスをあたしの方からしてしまった。

驚いている道明寺。

あたしも自分のしたことに驚いている。

それでも、恥ずかしいとか、厭らしいとかそんな感情じゃなくて、なんか神聖な気分だった。

「残りのSPも先に行かせたし、墓もここからだと見えねぇ」

「道明寺…?」

「少しだけなら良いだろ?それとも、先祖の墓の前で誓いながらにするか?」

「ば、馬鹿…」


そう言って、優しいキスを何度も交わした。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




PVアクセスランキング にほんブログ村