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願い事8

「道明寺さん、僕からですけど、いります?」
司に豚まんを差し出す進。

「……」

「ここのサービスエリア限定なんですって。豚肉も越後の特産とか…。いらないっすね…」
自分で話を振って、その話を終わらせる進。

「道明寺さん、悪いね。何を買っていいか分からなくて、探しに行ったんだけどねぇ」
晴男は買ってきた肉まんを口にしない司に向けて言葉を発した。

「そ、そうなのよ。二人とも買うとき見つからないから…」
千恵子は、公園内で行われていた事の次第が想像できた。
(勿論だけど、ハグして、キスするくらいでしょう? そう思っている。というか、そう思いたい親心)

「公園の中にいると思っていたんだけどね…。ブツブツ…」
晴男は全く考えが及んでいないようだ。
絶対に公園にいたと思ったんだけどな。と、まだブツブツ言っている。

「で、でも美味しい食べ物を沢山ゲット出来たからね~~。よ、よかったわよね?パパ?」
早く、話を反らせようと千恵子は食べ物の話を始める。

「そうなんだよね。齋藤さんたちとも、仲良く出来たし、美味しい物も沢山食べたし」
満足気に頷く晴男。

そうだな…。
ウンウン。ソウソウ。

何やらブツブツと独り言を言っている晴男。

「道明寺さん!本当にありがとう。娘のつくしははこの通り素直に嬉しさを表現出来なくてね」
チラッと後ろを振り返る。

ダンダンダンダン
(足を踏み鳴らす音)

「本当にすまんね…。もう少し可愛い素振りが出来ると、男心もくすぐられてムチュ~~って、なるんだろうけどね?ママ」
「えっ?へっ?そ、そうよね~~?」
また、話を戻してくる晴男に慌てる千恵子。

ダンダンダンダン
(先程よりも大きくなる足音)

「いやぁ、いろいろとありがとう。道明寺さん。つくしに代わってお礼を言うよ。楽しい旅だよ。ウンウン」

晴男は後ろを振り返り、
「本当にすまんね…。もう少し可愛いらしくできると…。その方が道明寺さんも嬉しいだろうに…」

ますます、ダンダンダンダンと音が響く。

大手自動車メーカーが独自のブランド戦略で売り出してる車種でワゴン車ではないのだが、3列目に座席が儲けられている国産高級車。
つくしはその3列目に横たわっている。

そう只今、高速道路で新潟を縦断している走行中の車内での会話。

つくしは、母親に何となく公園内での出来事を察知されている事が恥ずかしくて、とても助手席に乗り込む事が出来なかった。
(まだ、くっ付き足りないの~?って、ママに思われたくないの!)

そんな状況なので、つくしは司と距離を取るために3列目に乗り込んでいる。

後ろでガタガタするつくしに進が話しかけた。
「ねぇちゃん、何でそんなに怒ってんの?」

「そ、それは…ソ、ソ、ソフトクリームをもう少しで食べ終わるところだったのに、…道明寺のせいで、お、落としたからよ!」

「ふ~ん」

進は小声で司に、
「食べ物の恨みは怖いですよ。特にねぇちゃんの場合」
そう告げる。

「お、おぅ…」

「道明寺さん、そういえば、頬が赤いんですけど、虫か何かいました?」
進が、首を傾げる。

「そ、それはだな…?」

司がそう言葉を発すると、その言葉に被せるように千恵子が二人の話に割り込んだ。

「す、進?!まだ、木陰に行くと虫がいるのよ。ねぇ?道明寺さん?!」

物凄い勢いで話す千恵子に司は、少しばかり怯む。

「えっ?はっ?そ、そぅすかね?」

「やだわ~、道明寺さんたら~~ん?」



オーホッホッホッホッ

ダンダンダンダン

オーホッホッホッホッ

ダンダンダンダン


千恵子のわざとらしい笑い声と、3列目のシートからの地団駄を踏み鳴らす音が車内を暫く支配した。
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プロフィール

えりりん

Author:えりりん
ようこそ、おいでくださいました。

ここは、「花より男子」の二次小説置き場です。

つくしと司のその後の未来を、勝手に妄想して、こんなだったら……♥️

等と、妄想に妄想を重ねたブログです。

よろしければ、覗いて見てくださいませ。

ただし、素人の勝手な思い込みで書いております。

皆様のお考えと異なる事があるかと思われますが、ご了承くださいませ。

原作様の神尾様には、素敵な作品をこの世に送り出して頂いて、本当にありがたく思っています。

えりりんの妄想で少しでも楽しんで頂けたらなと思っております。



出版社様、原作様とは、一切関係はありません。




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